24: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/08(木) 18:01:39.67 ID:QvrQLcExo
書けるうちにささっと更新。
もっといろいろ出していきたいのです。
25: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/08(木) 18:02:17.81 ID:QvrQLcExo
僕らは義理人情というものが大好きだ。
もっとも僕らは狐であるからして、人情というべきなのかどうかは定かではない。
26: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/08(木) 18:02:58.59 ID:QvrQLcExo
今日も今日とていつものように、僕は大好きな白面ちゃんと会っていた。
27: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/08(木) 18:04:37.87 ID:QvrQLcExo
あのおばあちゃんというのは定期的に僕らが根城にしている神社にお参りに来てくれるおばあちゃんだ。
言うなればお得意様のようなものだろうか。
28: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/08(木) 18:05:40.62 ID:QvrQLcExo
「それにしても君のお父上が逃げ帰ってからもう50年にもなるのかい?」
「そうだねえ。義理堅いねえ。有難いねえ」
29: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/08(木) 18:06:34.58 ID:QvrQLcExo
なんでも、
『宮廷の者が食事に毒を盛っていただけというのに、勝手にわらわのせいにして石に閉じ込め、
それも50年もの間ふきっさらしの状態でほっとかれて……もうあんな長い50年は過ごしとうない!
30: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/08(木) 18:07:29.56 ID:QvrQLcExo
少し話が脱線してしまったが、この通り我ら妖狐にとっても50年というものは長いものである。
そんな長い間我らのために、正確には逃げ帰った父上のためにこんな遠くの神社に参拝してくれているのだから、
このおばあちゃんは本当にいい人である。
31: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/08(木) 18:08:35.23 ID:QvrQLcExo
「お、噂をすればなんとやらだ。挨拶に行こうよ白面ちゃん」
「お、おい。編んでいる途中だというのに……まったく仕方ないな。片づけるからちょっとだけ待って」
32: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/08(木) 18:09:45.43 ID:QvrQLcExo
ぶつくさいいながらもようやく彼女は片づけに行った。
本当は私だって好きなんだけど面と向かうと……
という感じの内容を小声でぶつぶつ言っていたのが聞こえたが、
33: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/08(木) 18:10:24.82 ID:QvrQLcExo
「こんにちは、おばあちゃん。いつもありがとう」
「こんにちは、お元気にしていましたか?おばあちゃん」
34: ◆/5u1xsuUH.[saga]
2015/01/08(木) 18:11:22.44 ID:QvrQLcExo
いつも通り変な会話である。
僕らがおばあちゃんに狐とばれているのは父上のせいである。
父上が迂闊にも狐の姿で帰ってきた際におばあちゃんに追いかけられていたとも知らずに、
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