過去ログ - 女勇者「私の死を望む世界」
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87: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/01/10(土) 20:02:40.19 ID:n6XkU/tv0
少年「…?」

勇者と暗黒騎士の子は、城内を探索していた。
好奇心旺盛な年頃で、目に入るもの全てが興味の対象となる。

少年「…」

少年は自然と武器庫に足を運ばせる。
平和になった現在人の出入りは少なく、彼を咎める者はいない。
武器庫には埃のかぶった武器が無造作に置かれており、少年はそれに興味を惹かれ手を伸ばした。

少年「…あっ」

手を伸ばした先にあったのは刃で、少年は手を切った。
血が床に落ちる。血を見慣れぬ少年はその光景に目を惹かれる。
だけど少年は、本能的に知っていた。

少年「…えい」

彼が念じると同時、手の傷口は閉じる。

本能的に知っていた。どんな刃も自分の命は奪えないことを。


勇者「ぼく〜、どこ行ったの〜?」

少年「まま!」

少年は武器庫を飛び出し、大好きな母に飛びついた。

少年「まま〜まま〜」

勇者「甘えん坊ねぇ、この子ったら」

少年「ねぇまま」

勇者「あら、なーに?」

少年「ぼく、おとなになったら…ままのおねがい、かなえてあげるね!」


少年は無邪気な笑みを母に向ける。
母の願いが少年の目指すものだと、彼は本能的に知っていた。



Fin


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