過去ログ - 女勇者「私の死を望む世界」
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9: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/01/08(木) 19:05:50.57 ID:crzuGK9B0
勇者が弱い者なら、殺すより手中に収めておけばいい。そうすればもう、魔王に恐れるものはない。
勇者の死を望むのが人間達で、勇者を保護するのは魔王側の者とは、何ともおかしな状況だ。

とはいえ当事者である私に行動の選択肢はなく、暗黒騎士に促されるまま飛龍に乗り、あっという間に魔王城に着いた。
魔王城――勇者として旅をしていたなら、最終目的として辿り着くべき場所。
そんな場所に暗黒騎士の案内であっさり入り、ほとんど誰ともすれ違うことのない通路を通って一室に通された。

暗黒騎士「回復術師を呼んでくるからそこで待っていろ」

そう言われ待っている間、部屋を見渡す。
魔王城の外観からは想像できない程粗末で小さな部屋。暗黒騎士が部屋を出た際、外側から鍵をかけていた。
ここが私の軟禁場所――殺されるよりはマシだが、神に選ばれた勇者への仕打ちがこれか。

回復術師は私の背中の傷を治療すると、無駄口を叩かず部屋から出て行った。
魔物達から虐げられ、皮肉のひとつでも言われるものかと思っていたが、それもない。

敵すら私を見ていない。私は誰からも見向きされない――

何だ、今までと変わらないじゃないか。


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