過去ログ - 隼鷹「提督〜たまには二人でしっぽりと、どうだい?」
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◆cTRJCNEVPY9.
2015/01/09(金) 02:27:41.55 ID:oFNauiId0
彼女が座り込んだそこにはガスコンロと鍋が置いてある。成る程、別にあった足あとは彼女が先に来て準備していいったものであったのか。湯気を立てる鍋の中では田楽と熱燗がいい状態で仕上がっていた。
「ではでは早速」
「「乾杯」」
以下略
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◆cTRJCNEVPY9.
2015/01/09(金) 02:28:13.24 ID:oFNauiId0
「先に準備していたようだが、私が断るとは考えなかったのか?」
「ん〜、断られたら1人で飲むのかね?まあ断るとは思っていなかったよ。なにせあんたとあたしの仲だからね」
何を根拠に言っているかは分からないが、不思議とそんな気がした。きっと彼女からの酒の誘いは断らないだろう。
以下略
10
:
◆cTRJCNEVPY9.
2015/01/09(金) 02:28:54.05 ID:oFNauiId0
「そう言えば」
ふと思い出す、そう昔は。
「昔はよく二人で飲んでいたな」
以下略
11
:
◆cTRJCNEVPY9.
2015/01/09(金) 02:30:46.28 ID:oFNauiId0
「そうだね〜いつから飲まなくなったんだっけかなあ」
「戦果を上げるようになってから仕事量も増えたからなあ」
「新しい仲間も増えて提督独り占めする時間も減ったしな〜」
以下略
12
:
◆cTRJCNEVPY9.
2015/01/09(金) 02:31:13.77 ID:oFNauiId0
「あんたの空母童貞はあたしが貰ってやったんだからな、軽空母だけど」
「こらこら、女性がそんなこと言うもんじゃないぞ」
「おや、ちゃんと女として見ていてくれてたのかい」
以下略
13
:
◆cTRJCNEVPY9.
2015/01/09(金) 02:32:00.81 ID:oFNauiId0
「提督、あたしはね」
「あたしはね、提督、あんたにほんっとに感謝してるんだよ。こんな、こんな碌でもない大酒飲みをずっと使い続けてくれて」
不意に真面目に、訥々と。普段の彼女からはあまり見られない口調で、しかし私の目をしっかりと見て、彼女は話し始めた。
14
:
◆cTRJCNEVPY9.
2015/01/09(金) 02:33:06.92 ID:oFNauiId0
「でもあたしはあんたが心配なんだよ。最近はもっぱら仕事で、休んでるところをあまり見ない」
「隼鷹・・・」
「いや、違うな。ごめん提督、そんなのは建前だ。あたしは寂しかったんだ。仕事仕事であんたとろくに話せない、酒が飲めない。あんたがどんどん遠くに行っちまう気がして、ただただ寂しかったんだ」
15
:
◆cTRJCNEVPY9.
2015/01/09(金) 02:34:15.70 ID:oFNauiId0
私は自然に、体が勝手にと言ってもいいだろう。彼女を抱き寄せた。
「ごめんな隼鷹、今まで気付いてやれなくて」
「〜っ」
以下略
16
:
◆cTRJCNEVPY9.
2015/01/09(金) 02:36:07.69 ID:oFNauiId0
どれ位経っただろうか、先ほど飲んだ酒も程よく抜けた頃、体から重みが消えた。
彼女は二三度私のコートに顔を擦り付け、ズビズビとなにやら不穏な音を立てて顔を上げた。私は身代わりになってくれたコートに感謝し彼女の顔を見る。その顔はどこか気恥ずかしさの混じった顔ではあるが、概ねいつもの彼女の顔であった。どこかスッキリした様子もある。
「泣き上戸ってワケじゃないはずなんだけどなあ」
以下略
17
:
◆cTRJCNEVPY9.
2015/01/09(金) 02:37:24.86 ID:oFNauiId0
「まあいいさ、仕切りなおしだ。折角上等の酒があるのにこれじゃあ酒に失礼だ」
調子をいつもの様に戻そうと努力しているのかパタパタと動きながら小声でひゃっはー等と言っている。きっと酒を飲めばいつもの彼女に戻るだろう。しかしそうなる前に言っておかなければ私はきっと後悔するだろう。
「隼鷹」
以下略
18
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◆cTRJCNEVPY9.
2015/01/09(金) 02:38:04.93 ID:oFNauiId0
何とも間の抜けた返事が返ってくる。まあ仕方がないだろう。とは言え私自身余裕が有るわけではない。今を逃したら次はなかなか来ないだろうという思いと、勢いで言ってしまったのではという思いが混ざり、というか相当な恥かしさもあり隼鷹の返事を待つこの時間が永遠にも思えてどうしたらいいのか分からなく―
「えっと、あたし練度足りないけど・・・ああ、よくある予約?宣言?練度達したらっていう・・・」
まあ、そうなるな。
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