過去ログ - 男「一から始める」義妹「兄妹関係」
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112:名無しNIPPER[saga]
2015/02/09(月) 00:22:22.53 ID:M22ClsJd0
男「うん、そうだよ。今から一緒に買い物に行く予定なんだ」

 笑顔を浮かべて友に向かってそう口にすると、彼は心底意外そうな目で男をジッと見つめた。
 そして、自分のデコに片手を当て、もう片方の手で男のデコに触れた。

男「……熱はない」

 そう言われ、手を離すと今度は人差し指を突きたて頭を指差し、何度か円を描くと掌を開いた。

男「頭もおかしくなってない」

 そして最後に謎は解けたと納得した表情で携帯を取り出し、画像フォルダーの中からおそらく友が好きであろうゲームのキャラクターである少女の画像を男に見せ、憐れむような眼差しで彼の肩を叩いた。

男「……二次元の女の子でもない!」

 語気を強めて否定すると、それまでサイレントのコントのようなやり取りを続けていた友はまだ信じられないと言った様子で男に問いかけた。

友「嘘……だろ? 勉強と部活が生きがいみたいな生活を送ってるお前が女と買い物? 
 どんな心境の変化があったらそうなるんだよ」

男「まあ、色々あるんだよ。むしろ僕のことを友が日頃どういう目で見ているのかわかってよかったよ。
 かなり失礼なこと考えていたんだな」

友「いやいや、事実だろ。だってお前から遊びに誘うってことがまずないし。会うときは大体図書館か学校のどっちかだろ?」

男「そんなことは……」

友「あるか?」

男「……ない、と思う」

友「だろ? そんなお前がいきなり女と買い物に行くだなんて口にするんだ。
 そりゃ、熱があるか勉強のしすぎで頭がイカれたと思っても仕方ないだろ」

男「いや、さすがにそこまでは……」

友「それだけ驚いたっていう例え話だ。察しろ」

男「あ、ああ……」

友「にしても、マジか。こんだけ驚いたのも久しぶりだな。
 え? まさか彼女?」

男「違うけど」

友「じゃあ、片思いとか?」

男「それも違う。というより、そういう関係じゃないから。まあ、気にかかってい子なのは事実だけど」

 そうは言うものの、男の気にかかるという言葉はあくまでも義理の妹となった少女とどう接するべきなのかということなのだが、友はそれを別の意味で捉えたのか、ニヤニヤとしながら親指を突きたて、

友「いや、いい。言うな。俺にはわかる。俺も彼女と付き合う前はそんな感じだった。
 最初は別にちょっと気にかかるなってだけだったんだよ。だけど、一緒にゲームとかしているうちに段々と仲良くなっていって、お互いの悩みとか相談したりしてさ〜。
 そうこうしているうちに気づけば会うのが楽しみになってて、気づいたときには好きになってたんだよな〜」

 最初は男の心情を勝手に勘違いし、理解しているという体で話していた友であったが、途中から完全に話している内容が過去の自分の出来事を思い返している惚気になっていた。
 完全に自分の世界に入り始めた友に付き合いきれないと思い、男は教室の時計を見て時刻を確認する。
 義妹をあまり待たせても悪いと思い、男は鞄を持つと別世界へと旅立っている友を置いて義妹の待つ学校へと向かうことにしたのだった。


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