過去ログ - 男「一から始める」義妹「兄妹関係」
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55:名無しNIPPER[sage]
2015/01/15(木) 22:41:59.13 ID:8O4CLJ6J0
――――

 春。それは出会いと別れの季節。
 そんな季節の始まり。ある一つの家庭でもまた、予期せぬ新しい出会いが訪れていた。

男「……」

義妹「……」

 突然の出会いから一夜。多少の自己紹介と、両者の状況に対する認識の齟齬から気まずい夕飯を共にし、特に有意義な会話も実らぬまま昨日という時間は終わりを告げた。
 そもそも、この状況をいきなり受け入れろということに無理があると男は思った。全く予想をしていなかったといえば嘘になる。
 母と離婚した父が自分に気兼ねして再婚をしないわけでもない。これまでだって何人も愛人を家に連れてきていた。ただ単に、これまで家を訪れていた女性たちは再婚するまでもないというだけのことだった。
 仮に、父が再婚した場合その相手に連れ子がいないという保証もない。だから、そういう状況もあるとは予想していたのだが、

男(まさか、こんな唐突にそんな想像が現実になるなんて思わないだろ)

 予期せぬ来訪、そして新しい家族になるという宣言。そんなものを聞いても今の男にはこの状況がそれこそ映画やドラマ、小説といったフィクションのようなものに思えて仕方ない。
 どうしても当事者という実感が湧いてこないのだ。
 それは、これまで父親のことを家族として認識していなかったこともある。彼にとって、家族と呼べる人物は五年前に亡くなった妹だけだったのだ。
 親しい友人はいれど、家族と呼べる相手は存在していなかった。そんな彼の元に突然今日から家族になるものですがと現れた少女が一人。
 受け入れろという方が無理があった。



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