43: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/03/17(火) 02:26:54.46 ID:CqIKSWGFo
「まぁ、そう言うなって。あぁ、それより、例の件だろ?」
「そう。なんとかなりそう?」
「大丈夫。アルベルトのやつに頼んでおいた。明日には発送できる、って言ってたから、三日後には本土のカルドンに届くだろ。
局止めにしてもらって、アタシが船でもらいに行くよ」
「エアメールじゃないの?」
「この島、エアメールは週に1便しかなくって時間がかかるんだ」
「へぇ、それは良いこと聞いたね。郵政局から下請け業務でも受けられれば、カネになりそう」
「あはは、すっかり社長だな」
「まぁね。食べさせて行かなきゃいけない社員もいることだし…って、あぁ、そうそう。
さっき、カルロスとエルサ、タクシーに乗せてそっちに向かわせたから、夕飯でもふるまってやってよ」
カレンが思い出したようにそう言って来た。カルロスと、エルサ。カレンが呼び寄せた、元連邦軍の整備兵の二人。
あのとき一緒にいた、男女のことだろう。
「あんたはどうするんだ?」
「私は、売店で適当に買って済ませるから構わなくていいよ。そっちはお客がいるんでしょ?
レナがこっちに来たらそっちが大変そうだから、今日のところは私が付いてる」
カレンは、こともなげにそんなことを言った。私は、ぎゅっと胸が締め付けられる感覚に襲われて、思わず心臓に手を当てていた。
そんな私の肩をそっと撫でながらアヤが
「大丈夫か?」
と、私に、なのか、カレンになのかわからない声色で言う。私が思わずうなずくと、アヤはまた、優しく頬を緩めた。
「飛ばなくて良い分スクランブル待機の当番なんかより楽だし、気にしないで」
カレンからも、返事が聞こえてきて、アヤの顔はさらにほころぶ。
「そっか。なら、頼む。エルサ達はこっちに任せとけ」
「あぁ、酒はほどほどにしておいてやってね。二人とも、今朝ジャブローを出てから移動しっぱなしで疲れてると思うし」
「あはは、分かってるよ」
「それなら良かった。じゃぁ、何事もなければ、また明日の朝連絡を入れるよ」
「カレン!」
その言葉に、カレンが電話を切りあげようとしている気配を感じ取って、私は思わず声をあげてしまっていた。
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