46: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/03/17(火) 02:28:25.03 ID:CqIKSWGFo
それから私はお茶のセットを出してきて、ソフィアと一緒に夕食の準備に戻った。
今日のメニューは鶏のテリヤキとエスニックな香辛料を使ったスープに、ライスと細かく切った野菜を炒めて味を付けたチャイニーズリゾットだ。
程なくして夕食は完成し、お皿に大盛りにして二人と、そして昼間、アヤが船で島の沿岸を案内したお客さんに振舞う。
私もソフィアとキッチンの小さなテーブルで食事を済ませて、食器洗いの準備だけを先にしておく。
ちょうどよく準備が終わるくらいに、アヤがワゴンにお皿を乗せてキッチンに戻ってきてくれるのはいつものことだ。
手早く食器洗いを終えた私は、明日の朝食の仕込みもそこそこに、ホールでバーボンを傾けながら談笑しているアヤとエルサ、カルロスのところへと向かった。
テオのお礼を、もう一度ちゃんとしなければ、とそう思ったからだった。
「あぁ、レナ。もう終わったのか?」
エプロンを外した私を見て、アヤがそう声を掛けてくれる。
「うん。もう大丈夫」
私はアヤに笑顔を返してから、イスに座る前にエルサとカルロスに向き直って言った。
「二人共、今日は帰ってきて早々、ありがとう。本当に助かったよ」
すると二人も私に笑顔を返してくれた。
「いいえ。困ったときはお互い様です」
「ええ。部屋だけじゃなくて、食事の世話までしてもらうのに、あの程度のことは大したことでもなくて、申し訳ないくらいですよ」
二人のそんな言葉に、私は改めてお礼を言ってから席に付いた。
「そうそう、それよりさ。エルサ、マライアと最近連絡取ってるか?」
私が座るとすぐに、アヤがそれまでの話題に話を戻す。マライアちゃんか。
そういえばアヤ、宇宙に出たっきり、ほとんど音信不通のマライアちゃんを心配していたっけ。
あの隊長さんはどういう方法でか、マライアちゃんの無事を確認できているみたいで、アヤはそっちから時折話を聞き出しているけれど、
あんなにアヤにべったりだったマライアちゃんが連絡をよこさないなんて、アヤでなくても何かあったのでは、と心配をしてしまう。
「それが、宇宙に出てからはさっぱり。ミノフスキー粒子の関係で連絡がとりづらいのかな、って思ってたんですけど、
どうも、連邦の一般回線は普通に使えてるみたいなんで…」
「ふーん、やっぱりそうなのか…あいつ、宇宙で凹んでたりしなきゃいいんだけどな…」
アヤが、腕組みをして表情を歪める。確か、大事な妹分、って言ってたもんね。
「少し心配してるんですよね。内部情報だと、宇宙ではけっこう、旧ジオン軍残党が潜伏していて、抗戦を呼びかけているらしくて、
実際に、小規模な戦闘があちこちで起こっているみたいです」
エルサは、旧ジオン軍、と言った。私に対して気を使ったのかどうかは分からないけど、そう表現するのはちょっと珍しい。
確かに今はジオンは、ジオン公国からジオン共和国と改編され、連邦政府主導で統治機能を整備している最中だと聞いた。
そして、ジオン共和国に残り、連邦主導の元に再編されたジオン軍部隊を、ジオン共和国国防軍と言う。
それに対して、連邦の統治を嫌い、各地に潜伏してゲリラ活動をしているジオン軍は旧ジオン軍、と呼ばれている、なんて話だ。
実際には、ジオン残党、なんて呼び方が多い。
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