過去ログ - ペンション・ソルリマールの日報
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45: ◆EhtsT9zeko[saga]
2015/03/17(火) 02:27:49.25 ID:CqIKSWGFo



 それから、少しもしない内に玄関のチャイムがなる音がして、昼間の男女二人がペンションに戻ってきた。

アヤの話では、エルサ・フォシュマンとその兄のカルロス・フォシュマンだそうだ。二人共色黒で濃い色の髪をした、いかにもラテン系という風貌だ。

 アヤに呼ばれてキッチンから出てみると、エルサはふざけてアヤに敬礼なんかをして、楽しそうに絡んでいる。

カルロスというお兄さんの方が私に気がついて軽く会釈をしてくれた。

「さっきは動転していて、ごめんなさい」

私は二人のそばへと行ってまずはそう声を掛けて謝る。

「いえいえ!」

「とんでもない。とりあえず、命に関わるようなことではないようですので、一安心です」

明るく笑うエルサに、カルロスはそう穏やかな笑みを浮かべて言ってくれる。

 「二人共、改めて紹介するよ。彼女が、レナ。レナ・リケ・ヘスラーだ。元ジオン軍少尉であのトゲツキのパイロットだったんだ」

アヤが紹介してくれたので、私は精一杯の笑顔を作ってから

「よろしくお願いします」

と改めて二人に頭を下げる。

「で、レナ。この二人がオメガ隊の自慢の整備員。エルサ・フォシュマン軍曹と、カルロス・フォシュマン元曹長だ。

 あ、ファミリーネームが同じだけど、夫婦じゃなくて兄妹な」

「よろしくお願いします、レナさん」

「よろしく」

アヤの紹介で、二人もそう私に言ってくれる。

 彼らも、私が元ジオンだという事にさほどの疑問も持たないようだった。

普段だったらきっと嬉しいと思うはずなのに、今の私には、それがなぜだか辛かった。

「夕飯の準備までまだ少し時間がかかりそうなので、掛けて待っててください。お茶をもってきますね」

私がそう言ったら、そばにいたアヤが不意におかしそうに笑い声をあげた。

「レナ。そんなに丁寧にしなくてもいいんだぞ?こいつらだって、アタシやオメガの連中とかわりないんだ。いつも通りに接してやってくれよ」

そう言ったアヤの目は、私を気遣うような、そんなぬくもりがこもっているように感じられた。アヤの言う通り、少し気を張りすぎだろう。

カレンのことで思い悩んでいるのは確かだし、それに、テオのこともあるけれど、

うん…オメガ隊と同じでいいのなら…今の接し方は硬すぎるかな。

「うん、分かった。二人とも、どうぞ座って!すぐにお茶持ってくるね!」

私が気を取り直してそう言い直すと、アヤが満足そうに笑った。
 


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