10:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:05:12.93 ID:sdjP5j9j0
部室の扉を開けたり閉めたりするのに、こんなに気をつかったのなんてはじめて。
ハァ〜〜〜とふたりでため息をついて、顔を見合わせた。
思わず吹き出しそうになるけれど、グッと堪える。
大分暗闇に目が慣れて、相手の表情もきちんとわかる。
澪ちゃんは、たのしそうに笑っていた。
たぶん、わたしの笑顔も、今は伝わってる。はず。
部室を出たからって大きい音を出していいわけじゃない。
声を殺してふたり、笑いあった。
目が慣れたといっても暗い校内。
階段の踊り場には月の光が差し込んでいるけれど、足元はおぼつかない。
わたしはケータイを取り出して懐中電灯代わりにフォトライトをつけた。
「…わぁ」
わたしたちの行く道を照らすちいさなひかり。
澪ちゃんが嬉しさの混じった声を上げた。
光が照らす先を、階段を踏み外さないように気をつけて一段、一段と降りていく。
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