112:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:29:50.14 ID:sdjP5j9j0
「よしよし」
「……わたしのこと…きらいになった…?」
113:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:30:22.43 ID:sdjP5j9j0
…。
「…もう寝た?」
114:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:31:06.07 ID:sdjP5j9j0
わたしの右側で横になっている澪ちゃんが首だけこちらを向けて言った。
「こたつで寝るの…久しぶりだな」
115:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:31:48.77 ID:sdjP5j9j0
静かな夜だった。
豆球がオレンジ色に染めたこの小さな世界に、
チッチッチッ、と時計の針の音がだけが響いている。
116:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:32:15.90 ID:sdjP5j9j0
半分をください。
あなたの世界の半分をください。
半分だけで、いいから。
117:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:32:56.38 ID:sdjP5j9j0
「今日が終わっちゃう前に、もう一度伝えておかなくちゃ」
「なに?」
118:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:34:10.55 ID:sdjP5j9j0
最終話「春風」
「…もういい?」
119:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:35:10.73 ID:sdjP5j9j0
「…あたり」
「えへへ」
120:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:35:49.34 ID:sdjP5j9j0
気分転換に散歩に出かけることにした。
最近すっかりあたたかくなって、もうコートは必要無い。
121:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:42:39.82 ID:sdjP5j9j0
公園前通りの横断歩道で赤信号に捕まった。
歩行者横断用の押しボタンを押そうとすると、
小さな女の子がふたり、手をつなぎながら駆けてくる。
122:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:43:17.33 ID:sdjP5j9j0
ふたりに続いて一歩を踏み出そうとすると、澪ちゃんがわたしの右手をつかんだ。
「こっちの道から行こう」
123:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:44:16.74 ID:sdjP5j9j0
「さっきの子たち…」
「うん」
124:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:44:59.11 ID:sdjP5j9j0
彼女たちの姿はもうとっくにどこにもない。
わたしは澪ちゃんの左手をぎゅっと握った。
澪ちゃんがきゅっとわたしの右手を握り返した。
125:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:46:36.89 ID:sdjP5j9j0
「あの、さ。ちょっと寄りたいところがあるんだけど」
「いいよ、どこ?」
126:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:47:09.78 ID:sdjP5j9j0
はちみつ色の午後が過ぎてく。
春は、すぐそこまで来ている。
瞳に映る全部が、輝いて見えた。
127:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:48:29.29 ID:sdjP5j9j0
ふたりで桜を見に行こう。
今年の桜も。
来年の桜も。
128:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 22:50:53.82 ID:sdjP5j9j0
以上です。
フライングですけど澪誕記念のSSでした。(ムギちゃんの語りだけど)
ありがとうございました。
129:名無しNIPPER[sage]
2015/01/15(木) 00:00:21.37 ID:d6p+2S8LO
乙乙
130:名無しNIPPER[sage]
2015/01/15(木) 00:11:33.58 ID:VU4cDcOVo
乙てす
澪誕生日おめでとう!
131:名無しNIPPER[sage]
2015/01/15(木) 20:21:16.71 ID:bVEPfIV/O
乙
132:名無しNIPPER[sage]
2015/01/18(日) 11:17:31.45 ID:nZordo8DO
いい雰囲気なSSですね
乙です
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