25:名無しNIPPER[saga]
2015/01/14(水) 21:14:58.37 ID:sdjP5j9j0
たまらずに大きな声をあげてしまった。
そうして…二歩三歩前に進んで追いつくと、
さっきまでとは逆に、今度はわたしが左手で澪ちゃんの袖を掴んだ。
「…ゴメン。そんなつもりじゃなかったの。
本当はね。わたしも…舞台に立ちたかったの。あっ、脚本担当に不満があったわけじゃないのよ!そういうわけじゃないんだけど…」
澪ちゃんが振り向いて、袖を掴むわたしの左手を握った。
それから一段、二段と階段を降りてきてわたしの隣に並ぶ。
窓から差し込む月の明かりが明るく照らし出すその姿は、
まるで本物のロミオが演劇の舞台から抜け出してきたみたいで、
もしかして今、わたしは寝ぼけて夢でも見てるんじゃないかと頬をつねりたい気持ちに駆られた。
澪ちゃんはちょっとびっくりするくらいの強い力で、わたしの左手をぎゅっと握った。いつもとは反対に、澪ちゃんの手のひらの熱気が伝わってくる。
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