過去ログ - QB「踏まれたい!」
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1: ◆FLVUV.9phY[saga]
2015/01/15(木) 21:51:30.29 ID:+FvHVe/io

(あぁ、踏まれたい! なんだいこれは! この、この湧き上がる、情熱のようなッ! 
感情なんてないはずなのに! ないはずなのに! 抑えられない、抑えられないぃぃぃ!)

 ジタバタ、ジタバタと白い獣がコンクリートの床をひたすらに転がりまわる。
 犬に例えれば腹を仰向けに見せての服従のポーズで、ゴロンゴロンと、それはもうひたすらに転げまわる。

(い、一体、ボクに何が起きたというんだ! こん、こんな精神疾患みたいなッ! 
でもでも、うぅぅ。抑えられない、抑えられないよ!)

 ビタンビタンと長くしっとりとしていて、ふんわりと柔らかく、
それでいてしなやかな光沢をもった自慢の耳毛が剥き出しコンクリートに叩きつけられるのもおかないなしに、
一心不乱に転げまわる。

(ちょろっとデータベースにアクセスしてみたけれど、こんな疾患の登録はなかった! 
つまりこれは、精神疾患ではないということだ! くそぅ、一体なんだっていうんだ! 
わけが分からないよ! あぁおあぁおあぁお! 踏んでほしい、踏んでほしいのぉぉぉぉ!)

 建設途中の工事現場の一角で転げまわるインキュベーターは時に石灰の詰められた麻袋に激突し、
時に積み上げられた鉄骨に激突し、だけれどまるで痛みを感じる様子すらなく、もがくように転げまわる。

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2: ◆FLVUV.9phY[saga]
2015/01/15(木) 22:02:13.59 ID:+FvHVe/io

(しかし、しかしだよ。仮にマミに踏んでくれなんて言ったら変な目で見られるどころの騒ぎじゃ済まされないよ。
いや、むしろ蔑んだ目で見られたい?)

 パタリ、と一瞬だけ動きが止まる。
以下略



3: ◆FLVUV.9phY[saga]
2015/01/15(木) 22:12:34.80 ID:+FvHVe/io

 揺らめくように立ち上がり、幽鬼のように歩き出す。
 そこに存在するのはインキュベーターなどではなく、強烈な渇望を満たすために行動する飢えた物の怪であった。

 建造途中のビルの中から抜け出そうと歩いていたキュゥべえの前に一人の少女が姿を現す。
以下略



4: ◆FLVUV.9phY[saga]
2015/01/15(木) 22:18:02.07 ID:+FvHVe/io

「ッ――、!」

 ようやく盾の中から取り回しやすいハンドガンを取り出した暁美ほらはキュゥべえに銃口を突き付けるが、
引き金を引く指が一瞬震え、舌打ちする。
以下略



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