14:名無しNIPPER[saga]
2015/01/19(月) 00:06:18.11 ID:VAybOduIo
凛ちゃんの涙にショックを受けて無我夢中で走り出してしまった私は、いつの間にか階段を一番上まで上って屋上の入り口の近くまで来ていました。
でも、外は一月なのに土砂降りで、とてもじゃないけど屋上に出れる天気ではありませんでした。
走る行き先を無くしてしまった私は、だんだん歩調を弱め、それと一緒に少しづつ平静を取り戻していました。
そして屋上のドアの前で立ち止まり、覗き窓から空を見上げます。
灰色の雲から降り注ぐ大粒の雨、それを見て、やっぱり思い出すのは……
花陽(凛ちゃん、泣いてた……)
あんな表情で泣く凛ちゃんは、初めて見ました。
それに、今まで私が凛ちゃんの行動にびっくりして泣いちゃうことはあったけれど、私が傷つけたせいで凛ちゃんが泣いてしまったことは一度もありませんでした。
私がやってみるって言った時、あんなに喜んでくれたのに。
何度も励ましてくれたのに。
私が弱虫で、諦めようとしたせいで凛ちゃんは…・・・
大事な友達にしてしまった仕打ちに、消えてなくなってしまいたい気分になって、涙がこぼれて・・・・・・
私はしばらく、その場にしゃがみこんで泣いていました。
でも、泣いているうちにふと思い出しました。
私のために凛ちゃんが泣いてくれたことは、今まで何度かあったよね。
凛ちゃんが初めて私の前で泣いた、あの時も。
大切な友達との、かけがえのない思い出――
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