過去ログ - 姫「王子の代わりに戦う使命を負った」
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11: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/01/20(火) 16:29:08.96 ID:v18eES5U0
姫「何をしているんですか…侵入経路の確認?」

飴売り「違う違う、俺はただの飴売り」

飴売りはさわやかに返答する。第一印象は気さくな人だ。

飴売り「城に行商に行こうかと思ってたんだけど、いざ城を目の前にすると緊張してなぁ」

姫「…本当かしら」

飴売り「本当本当!…って、あれ?」

と、飴売りは訝しげに私の顔をじーっと見つめてきた。

飴売り「もしかして…お姫さん?」

姫「そ、そうですけど…」

まずい。この飴売りもしかして、王子の知り合いだろうか?
王子は飴が大好きだし、飴売り商人と知り合いでも何らおかしくはない。

飴売り「やっぱね、王子とそっくりだからそうだと思った。ご無礼すみませんね」ペコリ

姫「あ、いえ」

王子でいる時の私を見たことがあるのだろうか…?
とりあえず「姫」とは初対面らしいので、私はスカートの裾をつまんでぺこりと頭を下げた。

飴売り「へー…」

姫「?どうなさいました」

飴売り「いや、ここの国の姫様は傲慢で高圧的で男勝りって聞いていたんだが、そんな感じしないもんでね」

姫「…」

それはきっと、私の振りをしている王子のせいだ。

姫「貴方は物言いのはっきりした方みたいですね」

飴売り「悪いね、俺は育ちが悪いもんで」

飴売りは悪びれていない笑顔で頷く。まぁ、別に不快ではない。
それでも――私は兄が演じる「姫」とのギャップを無くしておかなければならない。


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