13: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/01/22(木) 20:55:13.29 ID:FM5KuAEp0
長兄「ええっ、またその屋敷に戻るのですか、父さん!?」
長姉「末妹のせいよ!あんたがそんなもの欲しがるから!」
次兄「…あああ、まだ脂の残る熊の毛皮…むせかえる獣の臭い…堪らないよお」クンカクンカスーハー
14: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/01/22(木) 21:01:19.34 ID:FM5KuAEp0
商人「…という訳だ…」
長兄「やっぱり俺が末妹の代わりに行くよ。銃も持って行こう、野獣を倒してやる!」
長姉「だめよ、兄さん!お父さんだけじゃなく兄さんまでいなくなったら!」
15: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/01/22(木) 21:02:11.50 ID:FM5KuAEp0
次兄「野獣は末妹を連れて来いとは言ったけど、二人だけで、とは言ってない」
次兄「それに父さんの子供以外の人間はダメだと言うなら、俺が同行しても約束破りにはならない」
長兄「そうだけど…なら長男の俺が…」
16: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/01/22(木) 21:02:39.98 ID:FM5KuAEp0
長兄「末妹…荷造りは済んだか?」
末妹「あまり多くの物は…カバン一つ分だけにしたわ」
末妹「お母さんの形見の十字架は持って行くけど」
17: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/01/22(木) 21:03:28.01 ID:FM5KuAEp0
次兄「動かない毛皮のコレクションより、もっと素晴らしいことを始めたいのさ」
次兄「言わばそれは昨日までの自分との決別。男の決意の表れだ」
長兄「…よくわからんが、末妹のため勇気を奮い立たせてくれたお前を尊敬しているよ」
18: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/01/22(木) 21:04:07.63 ID:FM5KuAEp0
次兄「しかし職人に頼めば、これからでも防寒具か何か作ってもらえるだろう」
長兄「わ、わかった。有効に使わせてもらうよ」
腐りかけの毛皮「臭気ぷ〜ん」
19: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/01/22(木) 21:06:07.25 ID:FM5KuAEp0
そんなこんなで、親子3人は野獣の屋敷に向かった…
野獣「期限いっぱいだが、約束は守ったようだな」
20: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/01/22(木) 21:06:46.64 ID:FM5KuAEp0
野獣「こ、こんな奴に用はない…今すぐ連れて帰れ、娘だけ残してな!」
商人「娘だけを!?」
末妹「お父さん、私のことは構わないで。この方の仰るとおりにして」
21: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/01/22(木) 21:08:12.02 ID:FM5KuAEp0
野獣「…はあふう…奴の涎が付いてしまった…鼻水も…」フキフキ
野獣「商人、さっさと連れ帰れ!」
商人「は、はい…。帰ろう次兄!」次兄の襟首むんず
22: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/01/22(木) 21:09:19.29 ID:FM5KuAEp0
商人「どっこらしょ…っと。馬車を出すぞ、次兄。お前も末妹が心配だろうが…」
末妹「野獣さま、二人と今ひとたびのお別れを」
野獣「構わんぞ。長い別れになろうから、な」
23: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/01/22(木) 21:10:09.98 ID:FM5KuAEp0
末妹「お父さん、お兄ちゃん…!」
野獣「…寂しいだろうがな…」
野獣「名前は末妹と言ったか」
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