353: ◆54DIlPdu2E[saga]
2015/02/22(日) 22:02:28.85 ID:y0hHTyj/0
(「三日後、隣国の某貴族、実は機械いじりの趣味仲間なんだけど、その彼の使者がこっそり屋敷にやって来て」)
(「屋敷を王に明け渡して、うちの国に逃げて来い、その後の生活は保障してやる、って手紙を渡された」)
(「確かに、交渉から一週間後、私が無事で済む保証なんかないのよね」)
(「ぶっちゃけ趣味で面白がって仕掛けを増やしただけだから、考えようによっちゃ自分の命と天秤に掛けるのもどうかなって」)
(「廊下を遮断する壁もまだ仮設置の木製だから、王様的な意味での実用には耐えないだろうし」)
(「第一、機械仕掛けをメンテナンスし続けるのは大変だと思うんだけど、王様そこまで考えちゃいないでしょ」)
(「それに手紙をくれた彼は機械いじり仲間の中でも大親友と言っていいくらいの間柄」)
(「これは最後の私の生きるチャンスだろうと思い直して、天涯孤独で身軽だったし、そこから先は早かった」)
(「四日後、王様の兵士達が訪れた時は、屋敷はもぬけの空だったというわけ」)
(「王様あっさり屋敷を手に入れたはいいけど、少し悔しかったんだろうね、故国では私は処刑された事になってると後で聞いた」)
(「それから7年後、皆も知っている王家が一夜にして滅ぶ事件が起きて、すぐに私の呪いだの怨念だのって噂が立った」)
(「私も名前を変え過去を隠し別人として暮らしていたから、今更否定しようとは当時は思わなかったけど」)
(「ただ本当に私が王家を呪ったとしても、可哀相な王子様を一夜で白骨にするなんて恐ろしい殺し方だけはしないからね?」)
(「あれからまた何十年も経って、これは今まで誰にも言ったことないけど」)
(「王子様だけどっかで生き延びててくれないかなあ…なんて、時々思っているよ。」)
次兄「やっぱり呪いなんて最初から噂に過ぎなかったのか。…あと伯爵は単なる機械オタクだった」
次兄「今日の収穫って言えば収穫かな?」
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