21:名無しNIPPER[sage]
2015/01/24(土) 01:44:50.20 ID:y9xDVq4jO
「ま、それはさておき……よっと」
「痛ァッッッ!!!!!」
めぐみはまるでボロ雑巾でもつまみ上げるかのように、向日葵の髪を無造作に掴んで、持ち上げた。
経験したことの無い激痛に悲鳴を上げた向日葵を見つめ、めぐみは愉快そうに笑う。
「アンタが何のつもりで侵入してきたかは知らないけどさ……撫子を痛めつけたこと、その身で償ってもらわないとね?」
「ヒィ……!」
至近距離で微笑むめぐみの顔はとても綺麗だ。
撫子が惚れてしまうのも無理はない。
向日葵は激痛と恐怖の狭間でそんなことを思った。
しかし撫子にとっては天使のようなその微笑みも、今の向日葵にとって悪魔の嘲笑としか据えられない。
確かにめぐみは笑顔だったが、その瞳の奥は殺気に溢れていたからだ。
屈辱的だった。
今すぐにでもその腕を薙ぎ払い、必殺の一撃をお見舞いしてやりたかった。
しかし、それほどの余力が今の向日葵には残されていない。
先制で受けたあの一撃は、それほどまでに熾烈だった。
今なら、はっきりと分かる。
この魔物には勝てないと。
力量差が、開きすぎていると。
向日葵は、そう確信してしまった。
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