過去ログ - 武内P「あなたのお名前を」芳乃「わたくしはー」
1- 20
22:名無しNIPPER[saga]
2015/01/25(日) 11:54:25.30 ID:1ScxNNNj0

「――……ハァ……ハァ……なに?」

何をしてもしばらくすれば復活する亡者達を相手に、もはや倒した数を数えることすらやめていたあやめは、
何十体目かの亡霊を霧散させながら神社から昇るその光を見た。

「ばかな! あの娘が取り戻したというのか、名前を!」

「ありえない! 儀式と術式は完璧だったはず!」

「終わるのか……我らが……!」

あやめ「そうですか……さすがは武内殿、仁美殿……」

神社からの光は空に浮かぶ異様に大きな月を貫き、それを持って集落を包み込んでいた夜の帳が
消えていく。信じられないことに、集落を含んだ地域だけの空間がずっと夜で固定されていたらしく、
偽りの月が消えた空は澄み渡る青色が見え始めていた。

「あ……青い空なんていやだ……」

「そんな……こんな……」

空が明るくなるにつれて、あやめが対峙していた亡者たちの姿も消えていく。正しい時間の流れに
呑まれるように。

「そうか、まさか依代が名を取り戻すとはねえ」

そんな中、民宿の女将であった亡者だけは最後までしぶとく残り続ける。あやめは向こうがまだ
戦闘する気なのかと構えを解かずに警戒するが、その亡者から感じる気配はすでに淀みのない
澄んだものであった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
37Res/33.85 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice