7:名無しNIPPER[saga]
2015/01/25(日) 23:18:15.42 ID:n7hJWg0e0
その夜の寮の個室。半べそになりながら絆創膏を膝に貼るまゆがいました。
最初に踏み込みが足りず転んだのを皮切りに起きあがっては転び、起きあがっては転びを繰り返し、結局この日は少しも進むことはできませんでした。
怪我には帰ってきたから気づきました。
8:名無しNIPPER[saga]
2015/01/25(日) 23:20:41.26 ID:n7hJWg0e0
幸い傷はあまり大きくありません。
3日ほどでかさぶたになり、痕も残らず消えてしまうでしょう。
その間撮影なども無いのでその点は心配ありません。
9:名無しNIPPER[saga]
2015/01/25(日) 23:22:48.65 ID:n7hJWg0e0
翌日。練習場所の公園にはまゆの他にもう2人のアイドルがいました。
まゆが応援に呼んだ輿水幸子と星輝子です。2人まゆは以前にユニットを組んでから親交がありました。
幸子はボクがいれば100人力ですと胸を張り、輝子は暇だったところをトモダチに呼んでもらえたので嬉しそうにしています。
10:名無しNIPPER[saga]
2015/01/25(日) 23:24:20.93 ID:n7hJWg0e0
幸子はまゆのまたがった自転車のサドルの後部を掴み、まゆにこぐように促しました。
「ボクが押さえますから大丈夫です!」
輝子は木陰の茸をつついています。
11:名無しNIPPER[saga]
2015/01/25(日) 23:25:46.96 ID:n7hJWg0e0
仕切り直しです。鼻の頭にバッテンの絆創膏を貼った幸子が自転車の左手後方。輝子が右手後方に立ち、サドルを押さえました。
動きづらいですが、二人は過去にも何度かユニットを組んでいるので息はピッタリです。
歩くようなスピードでゆっくり自転車を押します。それでもまゆはハンドルにしがみつくのがやっとです。
12:名無しNIPPER[saga]
2015/01/25(日) 23:27:58.40 ID:n7hJWg0e0
まゆの手の震えはハンドルを伝い、自転車右に左に、蛇行させます。
見かねた幸子は後輪に巻き込まれないように体を寄せながらまゆに叫びかけます。
「まゆさん!怖がらないでペダルをちゃんと踏んでください!転ばないように押さえてあげますから!」
13:名無しNIPPER[saga]
2015/01/25(日) 23:30:12.14 ID:n7hJWg0e0
数秒後、幸子と輝子は団子のように重なって、数メートル先で転がる自転車とまゆを呆然と見ていました。
まゆの乗った自転車がいきなり速度を増したので、2人ともバランスを崩し倒れてしまったのです。
しかし、まゆの乗った自転車は2人の助けがなくとも数メートル進みました。
14:名無しNIPPER[saga]
2015/01/25(日) 23:32:06.06 ID:n7hJWg0e0
幸子の声に押され、勇気を出してペダルを踏む。それがきっかけでした。
それがわずかな進歩をもたらしたのです。
調子に乗ってボクの教えが良かったんですとうそぶく幸子。
15:名無しNIPPER[sage]
2015/01/25(日) 23:33:06.94 ID:8ZlJgU6eo
期待
16:名無しNIPPER[saga]
2015/01/25(日) 23:34:15.28 ID:n7hJWg0e0
まゆはやればできる子です。
1度コツをつかんだことはなんでもそつなくこなして見せます。
自転車に乗れなかったのは運動神経に自信を持てず、挑戦していなかったからというだけなのです。
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