過去ログ - キタキタオヤジ「北北中学出身、アドバーグ・エルドル」キリッ キョン「!?」
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名無しNIPPER
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2015/02/02(月) 20:37:16.39 ID:K2dvtMGW0
オヤジの方に視線を出来るだけ合わさないようにしながら二人とも無言で席へ。鞄から筆記用具を取り出し――ん? なんだこれは?
妙な感触を覚えて取り出してみると、昨日長門からもらった花の髪飾りだった。すっかり忘れていた。そういえば鞄に入れっぱなしにしていたんだったな。
それを手に、はてどうしたものか、捨てるのもなんだか気が引けるしな、などと考えていたら、突然ハルヒの声。
以下略
132
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/02/02(月) 20:49:45.60 ID:K2dvtMGW0
しかし、困った。女装趣味があると誤解されるのは嫌だったし、持っている理由を追求されるのも嫌だったからな。
そこで俺は、何でだろうな、自分でもよくわからん。何をとち狂ったのか血迷ったのかは知らんが、それをハルヒに向けて差し出していた。
「良かったらやるよ。もらいもので悪いけどな」
以下略
133
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/02/02(月) 21:12:35.44 ID:K2dvtMGW0
「たまたま知り合いからもらったんだ。俺が持っていても仕方がないし、捨てる訳にもいかないし、だからお前に渡そうと今思っただけで、ただそれだけだ。嫌なら別の誰かに渡すつもりだし、特に深い意味はない。誤解するな」
なぜかずいぶんと言い訳じみた言葉になってしまったが、ハルヒは納得してくれたようである。しばらく俺の顔と髪飾りを確認するように交互に眺めていたが、やがて口の端を微速度撮影のように上げて、
「まあ、そういうことだったらもらっておいてあげるわ。丁度なにかアクセントが欲しかったところだし」
以下略
134
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名無しNIPPER
[saga]
2015/02/02(月) 21:17:49.41 ID:K2dvtMGW0
その日の午前の授業中、俺はハルヒの後頭部――時折揺れる尻尾と、その右斜め上あたりにちょこんと咲いている謎の花――を眺めながらぼんやりと過ごした。ハルヒも特に何か言ってきたりはしなかったからな。
そういや校則違反にならないのか、この髪飾り?
まあ、俺は教師でも風紀委員でもないから別にいいんだけどさ。
135
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/02/02(月) 21:42:49.64 ID:K2dvtMGW0
思うにだ。
今、考えてみると、この時の俺はハルヒってやつを過小評価し過ぎていたんだと思う。
あれだけオヤジに邪魔されながらも、それをかいくぐるために自分でクラブを作ってどうにかしようなどと考える奴だ。かなりアグレッシブな考えの持ち主だと言える。
以下略
136
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/02/02(月) 21:51:49.64 ID:K2dvtMGW0
「キョン、聞いて! 朗報よ、朗報!」
廊下をドリブルで五人抜きするのような速度で教室に飛び込んで来たかと思えば、ハルヒはヘディングするような勢いで俺の目の前まで飛んで来て、逆転ゴールを決めた瞬間のような飛びっきりの笑顔を見せた。朝から現在に至るまでの数時間の間に一体何があったんだ。
「誰も使っていない部室を見つけたのよ! これであたしたちのクラブが作れるわ!」
以下略
137
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/02/02(月) 22:15:44.77 ID:K2dvtMGW0
しかしまあ、絶好調時のハルヒが俺の話を聞くはずもない。大きな目をらんらんと輝かせて、
「ホント、あたしも迂闊だったわ。今までずっと見落としていたなんて。なにも元からある部室を拝借する必要なんかなかったのよね。家主に断りを入れる必要もないし、今回は何の問題もないわよ。安心して」
何を安心すればいいんだろう。逆に不安が募るばかりだ。
以下略
138
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/02/02(月) 22:30:04.55 ID:K2dvtMGW0
どうもこうもない。
そんな悠長なことを言っている場合じゃなかった。
俺はこの時、無理矢理にでもハルヒの暴走を止めておくべきだったのだ。
以下略
139
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/02/02(月) 22:43:27.03 ID:K2dvtMGW0
「ここよ、ここが新しい部室」
着いた先は通称、旧館と呼ばれる文科系部の部室棟だ。昨日、長門とオヤジがいた文芸部もここの建物の中だが、一階と二階の違いがあったし方角が正反対でかなり離れている。「多分あのオヤジにかち合うことはないわ」とハルヒ。流石にその点は考慮しているようだ。
「それよりもスゴいのよ。中を見て驚くと思うわ。机や椅子が一式揃ってたし、最新型のパソコンまで置いてあってネットにも繋がってたのよ。こんないい場所がどこの部活にも使われていないなんて正しく奇跡よね」
以下略
140
:
名無しNIPPER
[saga]
2015/02/02(月) 22:56:30.95 ID:K2dvtMGW0
「ちょっと待て。それはどこかのクラブがこの部室を使っていて、お前が確かめた時には誰もいなかったってだけじゃないのか?」
「違うわよ。あたしはこの学校に登録されてる全部の部活を確かめて回ったのよ。ここはどこのクラブも使ってなくて、完全に空き部屋。鍵だってかかってなかったんだから」
とは言ってもだな。見落としってもんがあるかもしれないだろ。鍵だってかけ忘れたのかもしれない。
以下略
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