過去ログ - キタキタオヤジ「北北中学出身、アドバーグ・エルドル」キリッ  キョン「!?」
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324:名無しNIPPER[saga]
2015/02/10(火) 01:06:58.01 ID:IA9UpJR+0
「どうして逃げちゃうの?」

幸いなことにも、朝倉にはショックを受けたという様相はまったくなかった。ただ、1+1の答えが3だったと聞かされた時のような顔を見せて、

「こういうこと嫌い? それともわたしのことが嫌いなの? 好かれている自信はあったんだけどなあ」

「いや、嫌いじゃない。そんなわけがない」

俺は慌てて取り繕う。嫌いだ、などと誤解されたら、この先どうやって生きていけってんだ。

「ただ、あれだ。……そういう感じのは受け付けないっていうか」

教室を意味もなく見回して次の言葉を探す。なかなかうまいセリフが浮かんでこない。どうやって説明すればいいんだ。今のこの気持ちを。

「その……。もしも、朝倉が俺のことを好きだっていうなら、多分それを受け入れられると思うんだ。だけど、何かの代償とかお礼だとか、そんな風なら」

「あたし、キョン君のことが好きだよ」

え? と俺は思わず朝倉を見つめた。朝倉は泰然とした様子で、普段教室にいる時とほとんど変わらない感じのまま、

「本当よ。キョン君を利用しようとは確かに思ってるけど、でもそれは仕方なくのことだから。あたしは最初からキョン君のことを気にしてたの。ずっと見てる内に、それがいつのまにか好きに変わってた。惚れちゃった相手がキョン君だったのが運の尽きね。キョン君とは付き合えないんだもの」

朝倉はほんの少しだけ寂しそうな目を見せた後で、

「だからわたしは愛人でいいの。それでいい。涼宮さんに見つからないようにしてくれれば平気だし」

朝倉は離れた俺にまたそっと近寄った。愛願するような口調が俺の鼓膜を撃ち抜く。

「キョン君にとっても、わたしは愛人でいいの。心の中で、涼宮さんよりもあたしのことを想ってくれてたらそれだけでいいの。それでも駄目? キョン君が望むなら、あたし何でもしてあげるよ。キス以上のことだって何でも」

完全に返事に詰まった。本気なのは朝倉の目を見れば解る。だからこそ返事に詰まった。


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