過去ログ - 扶桑「私が証明して見せます」【艦これSS】
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1:名無しNIPPER[saga]
2015/02/06(金) 15:47:32.78 ID:5rZVZyw80
恥の多い生き方をしてまいりました。
貴方に出会い艦娘としての生を受け兵器として運用されるはずだった私の生涯に、一片の灯を与えてくれたあなたに。
私は感謝して後悔して懺悔せねばなりません。


覚えておいででしょうか、私が始めて貴方と出会った日を。
私は・・・正直言ってあまり覚えていません。あの頃は生きていたという実感が感じられないのです。
ただ一つはっきりと思い出せるのはあの日はとてもても美しい青い空であったということだけです。

空ろに使役されるのを待ちただただ戦いそして死んでゆく。
私にとっては本望でありそしてかつ、嫌悪する使命でありました。どこまでも美しい青い空、しかし私にとっては暗い暗い曇天のように見えておりました。
本当にそう見えていたのです。視界いっぱいに広がる雲が日の光を阻む景色が見えていたのです。

きっとあのときから私は諦めたそぶりをして甘えていたのです。卑怯で腐れきった性分です。誰かが何かが私を照らしてくれるのを、雲間から私を助けてくれるのだと信じていたのです。

私には、私にはどうしても理解ができません。どうして皆あんなにも普通、を過ごせるのでしょう。
普通に、普通に。
そうやって暮らしていくにはどうすればよいのでしょう。他人と関わり傷つけずそして傷つかず責をはたし愛し愛されるにはどうして生きればよかったのでしょう。
普通に暮らすにはあまりにもこの世界は私に厳しすぎる。私にとって普通に生きている方々は怪物以外の何者でもありません。

曖昧な笑顔と死んだような目を隠さないようになってから、私の側にいるのは貴方と妹だけになってしまいました。
いいえ、確かに皆私と会話も挨拶もしてくれましたしお誘いいただくこともありました。でも私は決して壁を壊すことはしませんでした。
怖かったのです。わからないから。とにかくわからないのです。なぜ笑っているのだろう。なぜ泣いているのだろう。なぜ優しいのだろう。
全てわからなかったのです。


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