107: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/16(月) 21:43:41.13 ID:Gqsp30dn0
呪術の類は詳しくない。
だが呪いの効果が大きい程、危険は高いことは知っている。
魔人「まさかその女、命を捨てて呪いを――」
僧侶「だとしたら、私が今生きていることは運が良かったですね」
女はそう言って笑った。
僧侶「結果的に、足だけで済みました。だけどこの足では残党狩りは続けられないし、それに――」
魔人「それに?」
僧侶「女性1人を自害させてしまって…続けられるはず、ないじゃないですか」
魔人「…あぁ、そうだな」
自害した女の逆恨みだと俺は思う。禁断の恋に手を出したのは、その女の方だ。
だけどそれだけで割り切れない、気持ちだとか、感情だとかが入ると話は変わってくる。
今は何となく、それがわかるような気がした。
僧侶「だから私達逃げたんです、戦うことから」
魔人「…」
女が言っていた「誠実」の意味は、こういうことか。
もう2度とこんな思いはしたくないから、逃げた。女に恨まれて死なれた事実と、向き合うことはせずに。
魔人「けど、それの何が悪いんだ?」
僧侶「そう思うのでしたら、同じことですよ魔人さん」
魔人「あ?」
僧侶「魔人さんが逃げることだって、悪いことじゃないんですよ」
魔人「いや…それとこれとは話が違うだろ」
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