120: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/17(火) 19:23:28.84 ID:Hye/S/uT0
ここでの生活を受け入れてから、毎日はゆっくり過ぎていった。
その間俺は徐々にだが、自分でも驚く程平穏な日々に適応していった。
変化しているのは俺だけでなく、世の中の流れもだ。
有害な魔王軍の残党の大半が狩られた為か、残党狩りの勢いは徐々にだが失われていっている。
それは戦闘職を必要としない世の中――つまり平和へと、世の中が適応しているということ。
僧侶「この方最近人気みたいですけど、魔人さん知ってますか?」
魔人(わ。猫野郎…)
僧侶がたまに買う新聞で情報を得る。
魔王軍の残党の中には改心して、人間と共存する者も現れ出した。
少し前なら考えられなかった。それでも世の中はゆっくりと、変化している。
俺は変わることを恐れていた。
だが変わってしまえば「こんなものか」と思う。
俺が憎まれていたのも以前の話。
平穏な世の中は、俺を忘れていく。
俺の命を狙う者も、俺が戦う理由も無くなっていく。
時代の流れとしてはそれでいいのかもしれない。
だが――
魔人「良くねぇよな、このままじゃ…」
俺は、決意を固めた。
154Res/111.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。