139: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/18(水) 10:56:51.04 ID:kRpik67K0
僧侶「…あらー?」
私が立っていたのは、いつもの森。
幻覚のようだけど、だけど肌に触れる空気にも、この香りにも、自然の音も、全てに覚えがある。
それに――
僧侶「私の体…」
長い年月を過ごして増えた体のシワが無くなっている。体も物凄く軽い。
そして何より、私の右足が――
魔人「どうだよ、これ」
僧侶「嘘みたい」
魔人「ま、嘘なんだけどな。でもリアルな嘘だ」
僧侶「嘘でも、嬉しいですね」
何だか久しぶりに感じる森を、私は駆けて、飛び跳ねた。
自由。長いこと忘れていた感覚。それを取り戻すように私は体全体で喜びを表現する。まるで心まで、少女に戻ったようだ。
僧侶「凄いです魔人さん…今日はいいことばかりです」
魔人「俺もこんな俊敏なお前初めて見た。いやまぁ、トロいはトロいんだけどな」
僧侶「むぅ」
魔人「ま、いいや。久しぶりに散歩しようぜ」
僧侶「いいですね」
と、魔人さんは自然と私の右側に立つ。
僧侶「魔人さん、今の私は転ぶ心配がないから、いいんですよ」
魔人「あ、そうだったな」
そう言って魔人さんは私と少し距離を置いたけど、
魔人「…何か違和感ある。やっぱ、定位置でいいか」
僧侶「そうですね」
自分で言っておいて何だけど、私も正直、違和感があったから。
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