2: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/06(金) 20:23:46.07 ID:+AkwQ9aA0
魔王が勇者に討たれて半年――
人間による魔王軍の残党狩りは勢いを増していた。
魔人「グ…」
やっちまった――俺は自分の間抜けさを笑いながらも、内心は悔しさで一杯だった。
腹の傷口を抑えるが、当然溢れ続ける血は止まらない。急所を微妙に逸れているせいで、死ぬまで時間がかかるわ、出血多量でろくに動けもしないわで最悪だ。
しかも血の跡は見事に歩いてきた道を辿っていて、追っ手に見つかるのも時間の問題だ。
魔人「クッソぉ〜…」
追い詰められていても、魔人の本能で殺意が抑えられない。
この傷を負う前まではいつもと同じように戦い、血で手を汚していた。その興奮はまだ冷めない。
魔人は死ぬまで魔人か――だから人間に恐れられるんだろう。
魔人(いいぜ、そんなら…最後の最後まで足掻いてやろうじゃねェか!!)
ガサッ、ガサッと草を踏む足音がする。
気配を消しもしないとは間抜けな追っ手だ――そんな間抜けに殺されるかもしれない、今の自分自身が頼りない。
魔人(来る…!)
俺は腹の激痛を堪えながら構えたが――
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