3: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/06(金) 20:24:12.18 ID:+AkwQ9aA0
僧侶「…」ガサッ
魔人(ん?)
姿を現したのは追っ手とは思えないような、少し薄汚れた、儚げな女だった。
そいつは俺を見つけると少しの間ぼうっとしていたが、俺の腹の傷に遅れて気づき、
僧侶「…あぁー」
無感動で、鈍い反応を見せた。
魔人「何だ、お前は…」ギロ
女はゆっくり俺に近付いてきてしゃがみ、俺と目線の高さが同じになる。
魔人の俺に驚くわけでもなく、怯むわけでもなく、頭の弱そうな女だと思った。
僧侶「じっとしてて下さいねー」
魔人「…は?」
女は抑揚のない声で言うと、俺の腹のあたりに手をあてて、魔法を唱え始めた。
小さな光が傷口を照らし…
魔人「…あぢぢゃあぁ!!」
僧侶「…あれ?」
女は相変わらず鈍い反応をして首を傾げる。
僧侶「回復魔法のつもりだったんだけどなー…」
魔人「ま、魔人にとって聖属性の魔法は有害なんだよ!」
僧侶「…あぁー、そうでしたねー。すみませんねー」
魔人(この女…)ヒリヒリ
悪気は無かったようだが、反省も見られない。そもそも、この女からは感情というものが読み取れない。
喋り方はゆっくりだし発音もおかしいし、歌わなくても音痴だとわかる声。聞いているだけでどこかおかしくなりそうだ。
154Res/111.74 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。