過去ログ - 僧侶「貴方を待ち続けて」
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72: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/14(土) 18:44:01.81 ID:KW2Os1hn0



僧侶「ふぅー」

僧侶が重い足取りで集落に足を踏み入れると、集落の人々は遠目に彼女を見た。
だが、彼らの視線はすぐに温和なものに変わる。それは彼女の格好が聖職者とわかるものであり、それでいて足が悪い「弱者」であるという2つの要素が、彼らの警戒をといていた。

「あらあら、お疲れでしょう。お茶をどうぞ」

僧侶「えぇ、すみません」

「こんな辺境の地にわざわざ何用で?」

僧侶「旅のついでに少しだけ」

僧侶は当たり障りのない嘘をつく。
集落の者はその理由を受け入れたようで、「ごゆっくり」と言って彼女から離れて行った。

僧侶(小さな集落)

それが、ぱっと見の印象だった。
こう思っては失礼だが、建物は皆ボロボロでみすぼらしく、この集落が貧しいということがひと目でわかる。

僧侶はこの集落が救われるよう祈りを捧げた。
それから思う。久しぶりに聖職者らしいことをした、と。


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