過去ログ - 僧侶「貴方を待ち続けて」
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76: ◆WnJdwN8j0.[saga]
2015/02/14(土) 18:47:42.42 ID:KW2Os1hn0
「兄ちゃん、遊ぼうぜー」

戦士「あぁいいぞー、皆も集めてきなー」

僧侶「…」

子供達に囲まれる戦士を見て、僧侶は複雑な気持ちが沸く。

修道女「元々男手の少ない集落でしたから――彼はこの集落の助けになって下さいました」

彼女が語るには、壊れた家の修理をしてくれたり、迷子になった子供を助けてくれたり、村を魔物から守ったり――そうして、集落の人々と打ち解けていったそうだ。

修道女「今では、この集落に欠かせない存在となりました」

僧侶「…」

記憶を失った所で人間性は変わらない。
それならそうなるだろう。自分が好きになった彼は、明るくて優しく、誰にでも好かれる、そんな魅力的な人だ。

「兄ちゃん、剣教えてくれよー」

戦士「ははは。俺との約束をちゃんと守っているか?」

「うん、強い男は弱い女の人を守れ、だよね!」

「俺、母さんの手伝い毎日やってるよ!

戦士「えらいぞ!よし、じゃあそこに並べー」

僧侶「…」

彼の様子を見て自然と笑みがこぼれる。
誰かが言ったように、彼は死んでなんていなかったし、自分を捨てたわけでもなかった。信じていたけれど、それは100%ではなかった。
だけどそのどちらでもなく、彼は以前と変わらない様子で、こうして元気に存在している。

変わったのは、過去を、私を忘れてしまったことだけ。


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