過去ログ - 【ラブライブ!】user名:泥だらけのハイヒールを履いた元踊り子のための薬用石鹸
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21:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/09(月) 22:44:19.59 ID:dwilK1n2O

にこにーはためらいもなく、トリガーを弾いた。

突如としてパンっという破裂音が耳元で鼓膜をつんざいて、
周りに火薬の臭いが立ち込める。

まさか本当に打ってくるとは思っていなかったエリチカさんは驚きすぎて反応が出遅れた。

目をすぐさま瞑ったが、ギュッとした瞼の裏側でチカチカと、星が四方八方に飛び散るのが見えた。

それくらいの音量だった。

エリチカさんの心臓はバクバクと、身体中に血液を送り出していた。

怖い、とすら思う余裕がなかった。

耳に残っていた破裂音がようやくなくなった頃、恐る恐る、エリチカさんは両目を開けてみると。

目の前には矢澤にこにーの笑顔があった。

「はい、死んだー。これでハイヒール役の生徒会長は死にましたー! 正義の味方役の矢澤にこちゃんの大勝利っ☆ やったねっ!!」

にこにーが右手で作ったVサインをエリチカさんに突きつけた。

エリチカさんは、状況を理解できてない。

「えっ、えっ......私打たれたけど、......死んでないわよ?」

「はぁ!? 何ポンコツなこと言ってんのよ。この小銃が本物なわけないでしょ! いやよ、にこ。人殺しなんて前科背負うの。どうせなら年の瀬にNG大賞とか貰った方がまだマシよ」

「......でも、こんなに火薬臭いし。すっごい音がして今も鼓膜痛いし」

右耳がジンジンして、手のひらで耳を覆った。

「あんた、ロシア住んでたから知らないだろうけどね、日本の駄菓子屋とかには、火薬だけでめちゃくちゃ音のなる無害なおもちゃの小銃とか売ってるのよ?」

「そんなの、知るわけないじゃない......」

「でしょうね。あなたはきっと外を駆けずり回って遊び疲れるような子供じゃなかったんだろうし。むしろ、1日中バレエで回りすぎて足先とか痛くさせてたのでしょう?」

幼い頃の日々が、にこにーの言葉でフラッシュバックした。

バレエが好きだった。
踊ることが好きだった。
コンクールで賞を取ることに一生懸命だった。

なにより、自分が踊ることで
お祖母様に笑ってもらえることが嬉しかった。

「なんなのよ......。あなたは一体なんなのよ。私をどうしたいのよ......」

「いや、だから、ミューズ入れって言ってるでしょ。勉強はできるのに、本当、ポンコツすぎるっての」


エリチカさんは口を真一文字に結んだ。

いまさら、私がスクールアイドルだなんて、できるわけがない

散々他人の行動と熱意を否定しておいて、そんな私がいまさら、自分が誘われたからって、
ノコノコとハイヒールからシューズに履き替えられるわけがないじゃない。

「そんなこと、誰も許してくれないわ」

「うちらは許してるよ、えりち」

「希......」

希ちゃんは優しくエリチカさんの左手を、その両手で包み込んだ。

「どうしても許す許さないの問題にすり替えたいのかしら。そうね、許されたいのなら、あなたはやっぱりスクールアイドルとして踊りなさいよ。
高みの見物されてても腹が立ってしょうがないわ。
私たちはあなたのお抱えの踊り子なわけじゃないんだから」

「踊る......私が......スクールアイドルとして......」


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