過去ログ - 花陽「ふたり乗り タイムカプセル」
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8:名無しNIPPER[sage saga]
2015/02/14(土) 04:39:38.41 ID:32fv2ES+o

「……ごめん、凛ちゃん。あとで、ね」

 花陽はむりくり声を大きくして
 「今度は凛ちゃん洗ったげるね」って
 シャワーの蛇口をきゅっとひねって全開にしました。

 激しい通り雨みたいな水流が、
 肌にまとっていた泡をはがし取ってしまいます。

 目はつぶったままでした。
 でも、
 凛ちゃんの感触はすっと抜けてしまったのは、はっきり分かります。

 ごごごごって 排水溝に私たちの泡が流れ込んでいきます。
 このお風呂場は
 もう十五歳の私たちには狭すぎて、なんだかあふれちゃいそうです。


 洗い流して立ち上がった凛ちゃんが鏡越しに映り込みます。
 でも湯気にぼやけて肌の色しか見えなくって、
 その後ろの花陽なんて、居るのかどうかも分からないほどです。

 すべすべになった肌は、一人ではちょっと寒いくらいなのに。




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