過去ログ - Troublesome Elichika【ラブライブ!ss】
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22:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:15:37.92 ID:qX0qD53z0
「でも家を出た後も、少しだけ期待していたのよ。もしかしたら追いかけてきてくれるかもしれないって。だけど、海未は追いかけてこなかった」

「さっき希に電話を勧められたときに断ったのも……怖かったからよ。電話して、もしふられたら?そんなの生きていけないに決まってるもの」

「本当、笑っちゃうわよね。逃げてばっかりで、無様にも程があるわ」
以下略



23:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:19:12.56 ID:qX0qD53z0
「あんたは本物の馬鹿よ。自分だけ言いたい放題で、逃げて、その上勝手に傷ついて……被害妄想が激しすぎるのよ。めんどくさいし。私だったら絶対パスね。事故物件だわ」

「っ……」

「でもね」
以下略



24:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:30:31.38 ID:qX0qD53z0
……そうね、その通りだわ。一体私は海未の何を見てきたのかしら。
海未はいつだって私のことを信じてくれたのに、私は海未のことを信じてあげようとしなかった。勝手に勘違いして、海未を傷つけた。

「……私に、海未に謝る権利なんてあるのかしら」

以下略



25:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:32:45.21 ID:qX0qD53z0
「じゃ、ごゆっくり〜」

にこと希が他室に引っ込んで、海未とリビングに二人きり。机を挟んで、向かい合って椅子に座った。
俯いているせいで、表情はよく見えない。

以下略



26:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:35:10.43 ID:qX0qD53z0
「あのね、海未」

「すみませんでした」

「海未……?」
以下略



27:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:36:49.30 ID:qX0qD53z0
「海未、聞いてくれる?」

「……はい」

椅子に座った海未の目を真っ直ぐに見据えて、私は続けた。
以下略



28:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:40:36.29 ID:qX0qD53z0
沈黙。どんな言葉が返ってくるか分からない。……怖い。
怖いけど、今度は逃げるようなことはしない。拳をぎゅっと握って海未の言葉を待っていると、やがて海未が口を開いた。

「……バレンタインの日に、渡そうと思っていたのですが」

以下略



29:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:42:39.97 ID:qX0qD53z0
不安げに私を見つめる海未の顔が、涙で歪む。
つまり海未は、これをバレンタインの日に内緒で私にプレゼントしようとしてことりと一緒に買いに行ったのを私に見られたってこと?
何よそれ、何もかも私の勘違いだったってことじゃない。

「ごめんなさい……ごめんなさい……っ」
以下略



30:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:43:54.95 ID:qX0qD53z0
「ごめんなさい……海未…っ!勝手に勘違いして、あんな酷いこと言って……海未を傷つけてごめんなさい……っ」

今度こそ私の気持ちを、海未に伝えるのよ。

「私……、海未のこと、本当に大好きだから……っ」
以下略



31:名無しNIPPER[saga]
2015/02/15(日) 22:45:53.58 ID:qX0qD53z0
「そんなの……っ私だって別れたくないに決まってるじゃないですか!!!!!」

涙声の海未が、私に負けないくらいの声で叫んだ。
元々よく通る声質だから、部屋中に海未の声が響いた。私はその言葉が嬉しくて嬉しくて仕方がなくて、いつもよりも強く海未に抱きついて、それからまた馬鹿みたいに泣いた。

以下略



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