過去ログ - 霧矢あおい「ガール・ミーツ・ガール」
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1:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:21:45.53 ID:AzX2k9iN0
※アイカツ! SSです
※地の文アリ
※書き溜めアリ
※時系列は第112話と113話の間、大スター宮いちごまつり終了後
※劇場版アイカツ! の重大なネタバレを含みますが、劇場版を見ていなくても楽しめる構成を目指しました
※次レスから本編スタートします! フフッヒ

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2:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:24:57.41 ID:AzX2k9iN0
 星宮いちごという、アイドルをご存知だろうか。

 星宮いちご、15歳。アイドル学校スターライト学園の高校1年生。
 3月15日生まれの魚座、血液型はO型、身長156cm。好きな食べ物はのり弁、嫌いな食べ物はなし。

以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:26:55.17 ID:AzX2k9iN0
 そう、トップアイドル。

 あの冬の夜――「大スター宮いちごまつり」を終えたいちごは、名実ともにトップアイドルとなった。
 彼女のライブ終了直後、アイドルの格付けを決めるアイカツランキングが変動、不動のトップアイドルであった、あの神崎美月を下したのだ。

以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:28:37.42 ID:AzX2k9iN0
 そして、そんないちごの才能にいち早く気付いたのも、神崎美月だった。
 彼女は先輩として、同じアイカツ界を盛り上げる仲間として、アイカツランキングを競うライバルとして、いちごをずっと暖かく見守ってきた。単なる先輩後輩や、同業者などという言葉では片付けられない、深い関係が二人にはある。
 大スター宮いちごまつりで披露された新曲「輝きのエチュード」は、そんな二人の関係を、星宮いちごのまるで恋のような気持ちを歌にしたものだ。

 輝きのエチュードは、間違いなくアイカツ史に於いて永遠に語り継がれる曲となるだろう。それほどまでに、素晴らしい楽曲だった。
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:29:15.04 ID:AzX2k9iN0
あおい「どうして……」

 どうして、こんなにも胸が締め付けられるのだろう。苦しくなってしまう。ライブで聞いた輝きのエチュードは、今だって耳に残っていて、頭から離れない。間違いなく最高のステージだった。なのに。

ユリカ「ちょっと、人と食事している時に溜息吐くのはやめなさい」
以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:31:13.29 ID:AzX2k9iN0
あおい「なんか、大スター宮いちごまつりが終わってからボーっとしちゃって……」

ユリカ「…………まあ、わからなくもなくもなくもなくってよ」

 凄かったもの、とユリカ様は呟く。
以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:33:14.42 ID:AzX2k9iN0
あおい「上手く説明出来ないんだけど、なんだかモヤモヤするの。輝きのエチュードが、ずっと頭から離れないのよ」

ユリカ「ユリカ様だって同じよ。本当に素晴らしい曲だったわ」

あおい「そうなんだけど、なんというか、あの歌を聞いていると苦しくなるのよ……切なく、なるの」
以下略



8:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:34:46.15 ID:AzX2k9iN0
 嫉妬。考えてもみなかった。

 いちごは、ずっと私の隣にいた。スターライトに来てからは、ずっと同じ部屋で暮らしてきた。今でこそお互いに仕事が忙しく一緒に入られる時間は少なくなったが、それでも私たちは、同じ場所に帰ってくる。会えば自然に笑顔になれる。会えずともお互い繋がっている。そう思える。
 ずっと離れていたのは、いちごがアメリカに行っていたあの一年間くらいだろうか。

以下略



9:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:36:10.63 ID:AzX2k9iN0
あおい「でも、じゃあますますわからないわ。親友のいちごが美月さんに憧れて嫉妬するの? 私別に、自分だけがいちごの友達でいたいなんて思ってないし」

 そう言うと、目の前の綺麗な顔が顰めっ面に変わってしまった。

ユリカ「訂正するわ、貴方バカね。そうじゃなくて、貴方がいちごに恋愛感情を抱いているから嫉妬してるんでしょう」
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:43:39.66 ID:AzX2k9iN0
あおい「ユリカちゃん、もしかして」

ユリカ「…………」
ユリカ「あおいさんは、人を好きになったことはありますか」

以下略



11:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:47:51.84 ID:AzX2k9iN0
 一人になってからも、私は暫く食堂で動けずにいた。 今日がオフの日で良かった。仕事があっても身が入らなかっただろう。
 目を瞑ればいちごの笑顔が浮かび、ユリカちゃんのあの目がちらつく。

 まさか、アイドル博士の私が恋愛で悩むなんて。いや、まだ恋愛と決まったわけじゃないけれど。アイドルにとって恋愛はご法度、スキャンダルは問題外だ。歌っておいて自分がそうなってはお笑い種だ。

以下略



12:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:49:02.93 ID:AzX2k9iN0
「いちごからだ」

『午後のお仕事が延期になっちゃった>< あおいも今日お休みだったよね。ちょっとおでかけしない?』

 穏やかじゃないタイミングだ。普段なら即決で「いいよ」と返信するところだけれど、何故か私は迷っていた。
以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:50:11.58 ID:AzX2k9iN0
 寮でいちごが帰ってくるのを待つことになった。

あおい「うーん、これも違う気がするわね」

 その間に、服を見繕う。スターライトの制服で外出しても構わないのだが、今日は私服で出ることにした。いちごにもそう伝えた。
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:57:46.70 ID:AzX2k9iN0
あおい「ん?」

 デート? 私と、いちごが?
 そうだ、どうして気付かなかったのだろう。二人でお出かけってデート……!?

以下略



15:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 22:58:37.35 ID:AzX2k9iN0
 結局、思いっきりお洒落してしまった。たかが女友達と一緒にぶらぶらするだけなのに気合入り過ぎとか思われないだろうか。凄くガーリーな感じで、私らしくないかも。それにそれに、こういうコーデにするなら髪もいじりたかったような。ていうか、私の髪大丈夫かな、朝ちゃんと見たけど、乱れてないかな。

いちご「お待たせ、あおい」

 き、来た!
以下略



16:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:05:27.48 ID:AzX2k9iN0
あおい「あ、え、あ、ありがと……」

 顔が熱い。なんで。ただ褒められただけなのに、なんだかすごく恥ずかしい。

いちご「よーし、それじゃあ私も頑張って服選んじゃうぞ! もう少し待っててね、あおい」
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:14:52.53 ID:AzX2k9iN0
あかり「霧矢先輩、こんにちは」

あおい「あ、あかりちゃん。こんにちは」

 考え事をしていた所為か、あかりちゃんが近付いて来るのに気付かなかった。
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:17:43.81 ID:AzX2k9iN0
 あかりちゃんは一礼すると、歩いて行ってしまった。
 ふふっ。自分ではちょっと不安だったけど、いちごだけじゃなくてあかりちゃんも褒めてくれたし、このコーデで正解だったみたい。
 ……あれ、そっか。あかりちゃんも褒めてくれたのに、さっきみたいに熱くならなかった。なんで――

いちご「準備できたよ、あおい」
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:20:39.74 ID:AzX2k9iN0
 久しぶりに、実家の近くの商店街にやって来た。

いちご「なんだかすっごく久しぶりな気がするねえ」

 何処にいくかという話になって、結局近場で済ませることになった。休日とはいえもうこの時間からじゃあまり遠出も出来ないしね。明日はお仕事が入っているし。
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:21:28.13 ID:AzX2k9iN0
あおい「もうこの店もすっかりお馴染みね」

 いちごの家の近所の喫茶店。
 歩き疲れた私たちは、音城セイラちゃんのお家に来ていた。

以下略



21:名無しNIPPER[saga]
2015/02/16(月) 23:22:23.93 ID:AzX2k9iN0
 なのに、なんだか今は、二人を見ているとモヤモヤする。
 輝きのエチュードを聞いている時のような、如何ともし難い感情。

『じゃあ貴方、それは嫉妬よ』

以下略



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