38:名無しNIPPER[saga]
2015/02/24(火) 00:03:40.48 ID:uK/wtf6FO
「……これって、落し物?」
あの時の目玉のキーホルダー。
カバンの中から取り出して見せると、女の子は首を横に振った。
「ううん……それは、プレゼントだから……」
「そう……ありがとう。大切にしてるわ」
「……うん。あの、ね、お姉さん……もう、見える……?」
見えるって、何が。そういう前に気が付く。
女の子の肩に、小さな女の子が乗っている。妖精みたいだ、と思った。
「……その子?」
「うん……そっか、見えるんだ……早い、ね……」
「……見えたら、ダメなのかしら?」
「ううん……でも、ひとつだけ」
肩に乗った妖精さんは、こちらを気にする様子もなくふわふわと宙を眺めている。
そういうことのあるのか、と思ったので聞いてみたけれど、ダメではないらしい。
「眼……離さないで、ね。私の、もうあげられないから……」
ちゃり、と私の手を握ってキーホルダーをしっかりとつかませると、女の子はどこかへ行ってしまった。
手を開くと、普段通りこちらを見つめている茶色の目が転がる。
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