10:名無しNIPPER[saga]
2015/02/20(金) 02:36:11.37 ID:YN4vLNeW0
その後、姉は一言も私とは話さずに。
私がぶつける質問に対して一つも返事をくれずに。
朝を迎え、荷を積んで、母と共に家を出ようとした。
「じゃあ…」
「ああ、これも二人のためだ」
「ごめんね、お父さん」
「…気にするな。お前も元気でやれよ。咲だってお前と離れれば少しは…」
「待ってよ」
「………」
そうやって、昨日から彼女はずっと私に背を向けている。
「本当なんだね。本当に私を置いて出て行っちゃうんだね」
「………」
「ねえ、お姉ちゃん。一つだけ聞かせて?」
「私のこと嫌いになったの?」
「好きじゃなかったの?」
「………………」
彼女の口から、返事を聞くことは出来なかった。
「…もういいもん!お姉ちゃんなんか知らない!」
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