32:名無しNIPPER[saga]
2015/02/20(金) 03:24:19.96 ID:YN4vLNeW0
「宮永選手は個人戦も出場との事で、そちらの方にも期待がかかっておりますが、これに関して一言!」
「はい。一生懸命頑張ります。宜しくお願い致します」
「一年生で大将を任され、そして優勝。個人戦でも都代表と、宮永選手のこの原動力の要因があったらお聞かせ下さい!」
「……そうですね」
咲がいない夜を越えて。やがてたどり着いた頂点は。
虹が見えるようなフラッシュバックの多い景色で。何故か…悲しくて。
「………すっ、すみません。ちょっとシャッター止めてもらえませんか。こいつカメラが苦手なもので」
横から菫が出てきて私を遮った。
…何、どうかしたの?菫。
え、ハンカチ?………え?
そうか、私。泣いてたんだ。無意識に。
だから、この後私の口から飛び出した言葉は、私の本心でしかなかった。
「えー…それで宮永選手、あなたの原動力は…」
「この世で一番大好きな…妹のおかげです」
ハッと気付き、慌てて私は訂正する。
「ちっ、違います!私に妹はいません!失礼します!」
前代未聞の、インハイ優勝チームの大将が泣いて取材打ち切り。
この後、私は営業スマイルを学習することを余儀なくされる。
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