20:名無しNIPPER[saga]
2015/02/23(月) 15:36:20.95 ID:zW0LuoBg0
ゆっくりと開くドア、その錆びた高音は私の奥の方に響いてきた。
彼が部屋の中に入るのを見て、私もその後ろに隠れるようにしながら恐る恐る続く。
無言で入るのは少し変な気がしたから、部屋に入る前に一言だけ「ただいま」と一言呟いてみたけれど、ドアの向こうには勿論誰もいない。
黒い服を纏った少女が難解な言葉をかけてくることも、緑色の服を着たお姉さんがこちらに気付いて笑顔で挨拶してくれたりすることもなかった。
そこにあったのは、小さなソファーとボロボロになった机だけ。
……念のため机の下も覗いてみたが、気弱そうな少女はいない。
「懐かしいな、お前がいっつも過ごしていた机だ」
彼が部屋を感慨深そうに見回す。
私もそれを真似をする。……こんなにここは広かっただろうか。
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