28:名無しNIPPER[saga]
2015/02/23(月) 15:52:59.79 ID:zW0LuoBg0
「でもさ、確認出来たんだ……終わらなかったものもあるんだよ」
「……お、終わらなかった、もの?」
「ああ、終わらなかったものだ」
何が、終わらなかったと言うんだ、ここにはもう昔のものしかないのに。
彼が机の下に手を伸ばしてくる。
私はその手を掴むことさえできない。
代わりにただ、じっと見つめる。
……彼の手はとても大きい、私よりもずっとずっと。大きな手。
いつも私はこの手に引っ張られてきた。
そうだ、どんな時だって。
初めてこの手に触れた時はいつだっただろう。
それは私からだっけ、彼からだっけ。
あの日私はなんで、この手を掴んだんだっけ。
必死に思い出そうとする。それでも頭の中にフィルターがかかったみたいに、何も思い出せない。
42Res/32.00 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。