過去ログ - 「彼女は景色を食事とすることが出来た」
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4:名無しNIPPER
2015/02/25(水) 00:26:14.16 ID:Nu+X4rGi0
料理達者だったが、彼女が手料理を口にすることはなかった。

俺が景色を見て腹が膨れないように、彼女がそれらを食べて満たされることはない。


それでも俺に喜んでほしくて、たくさん料理本を買って練習したらしい。

愛しくなって華奢な体を抱きしめると、エプロンから肉じゃがの匂いがした。


俺が好きな、甘めの味付けの肉じゃが。

味見も出来ないだろうに。


景色を食べる彼女が好きだ。

俺の為だけに料理してくれる彼女が好きだ。


たくさん色んな所に連れて行ってやらなければいけないと思った。

更に深く抱きしめると彼女は苦しいよ、と笑いながら俺の肩を叩く。


急にどうしたの、と聞かれたから、胃袋を掴まれたんだよと答えた。

彼女ははたと離れて数秒間俺と見つめあうと、黙って唇を重ねてきた。


今度は俺がどうしたのと聞くと、私も胃袋を掴まれたんだよ。

あなたの味がする。


そうして二人でまた笑顔になって、ずっと抱きしめあっていた。


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