過去ログ - 「彼女は景色を食事とすることが出来た」
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5:名無しNIPPER
2015/02/25(水) 00:29:32.01 ID:Nu+X4rGi0
お互いに諍いを好まない性格だったが、一度だけ大きな喧嘩をやらかしたことがある。

きっかけは写真だった。


彼女は二年前に買ったノートパソコンで、今まで行った場所の写真を眺めていた。

俺が写真の景色でも食べられるのか、と聞くと料理のサンプルみたいなものだから無理、との事。


ああ料理屋の店先でよく見るアレか。

そうそうあんな感じ。実物じゃないと食べられないよ。

ふーん、じゃあ写真撮っててもあんまり意味がないな。

は?どういうこと?

だから……


ハッとした時にはもう遅く、空間には稲妻のような亀裂が走っていた。

やってしまったという後悔が途端に全身を襲い、ぶるるっと身が引き締まる。


聞いたこともないような恐ろしい声で彼女は唸った。


じゃあ何、私に食事させるためだけに出かけてたって言うの。

馬鹿にしないで。




短い言葉は鋭利に心臓に突き刺さる。

急に口の中が乾いて、つばを飲み込むのに苦労した。


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