13: ◆RY6L0rQza2[saga]
2015/02/25(水) 20:15:58.86 ID:mA9JqB8io
私にも見えるようにちょっと高く別の箱を掲げる真美。今度は一目見てあのフライドチキンと言う事が分かる。
「私、ご飯のおかずも買ってきちゃったんだけど……」
「それも全部一緒に食べればいいっしょ!」
14: ◆RY6L0rQza2[saga]
2015/02/25(水) 20:16:40.45 ID:mA9JqB8io
冷めちゃったからとレンジでチキンを温めている所を見ながら、私は自分の胃袋の心配をした。
程なくして、温まったチキンとサラダと私の買ってきたお惣菜がテーブルに並ぶ。
「いただきまーす!」
15: ◆RY6L0rQza2[saga]
2015/02/25(水) 20:17:09.59 ID:mA9JqB8io
手が汚れないようにと紙ナプキンでチキンを食べる。一方の真美は、汚れなどお構いなし! と言わんばかりに鷲づかみして食べている。
……本当に、美味しそうに食べるわね。
数十分後に、ご飯を平らげた私達は、早速ケーキの箱に手を付ける。
16: ◆RY6L0rQza2[saga]
2015/02/25(水) 20:19:16.90 ID:mA9JqB8io
そう言えばこの前真美が遊びに来た時は、私はチョコケーキを食べていたわね。
お皿に取り分けて、さあ食べるかと言うまさにその時。
突然、リビングが暗闇に包まれる。停電だ。非常用の懐中電灯が確か近くに……。
17: ◆RY6L0rQza2[saga]
2015/02/25(水) 20:19:57.00 ID:mA9JqB8io
がちゃん!
18: ◆RY6L0rQza2[saga]
2015/02/25(水) 20:20:32.66 ID:mA9JqB8io
何かが割れる音がして、小さく悲鳴が上がる。
懐中電灯を探し出して光を真美の方に向けると、真美の足下がきらりと光を反射する。見ると、ガラスのコップが割れていて、破片が光を反射していた。
「真美、大丈夫? 怪我はない?」
19: ◆RY6L0rQza2[saga]
2015/02/25(水) 20:21:43.33 ID:mA9JqB8io
改めて見ると、ガラスの破片が結構散らばっていて、飲み物がこぼれていて……、ちょっとだけ血が床に付いていた。
「千早お姉ちゃん、ごめんなさい……コップ割っちゃって……」
「真美は悪くないわ、停電したからビックリしちゃったのよね。もう大丈夫だから」
20: ◆RY6L0rQza2[saga]
2015/02/25(水) 20:22:09.50 ID:mA9JqB8io
「千早お姉ちゃん、怪我して……!」
「破片を踏んだみたい。大丈夫よこれくらい。さ、危ないから片付けましょう」
「真美がやるから待ってて。千早お姉ちゃん、新聞紙と袋ある?」
21: ◆RY6L0rQza2[saga]
2015/02/25(水) 20:24:13.79 ID:mA9JqB8io
真美は立ち上がって、破片を踏まないように気を付けながら玄関へと向かっていった。
偉いわね、真美……いつもは悪戯ばっかりなのに、こうやって率先して片付けしてくれて。
真美がガラスの破片を集めて捨てているのをぼんやり見ていると、今度は救急箱の在処を聞いてきた。
22: ◆RY6L0rQza2[saga]
2015/02/25(水) 20:25:30.08 ID:mA9JqB8io
「これでおっけー! んじゃ、ケーキ食べようよ!」
「そうね、ちょっと食べるのが遅くなっちゃったけど、食べましょう」
もう一度テーブルに着いた時、真美はいつものようにニコニコ笑っていた。
23: ◆RY6L0rQza2[saga]
2015/02/25(水) 20:26:49.44 ID:mA9JqB8io
「真美、ありがとう」
「ふぇ? あぁ〜、まっ、手当てするの慣れてるしね! 良いって事よ〜!」
「ふふ、新鮮だったわ。真美があんな真剣な顔で手当てしてくれてたの」
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