過去ログ - さやか「人と深くつなぐことができないさびしさ」
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22:名無しNIPPER[sage]
2015/03/05(木) 10:22:52.50 ID:OEMfVIsEO
彼女の手は、ハサミを宙にうかしたまま動かない

どうすればいいのかとぶらぶらと宙にうかす、ということもせず
ただまっすぐに、私が受け取りやすいように彼女はハサミの"刃"のほうを手ににぎって差し出している



23:名無しNIPPER[sage]
2015/03/05(木) 10:23:58.75 ID:OEMfVIsEO
ハサミをかして欲しいと申し出たのは私なのに受け取らないのは申し訳なかったが、受け取る方が申し訳なかった

「まさか、髪でも切ろうとしてたの?このハサミで」クスクス

彼女はハサミを持っていない方の手で口に添え、いたずらそうに笑う
以下略



24:名無しNIPPER[sage]
2015/03/05(木) 10:25:11.16 ID:OEMfVIsEO
彼女は「こんな所だし、お客様は珍しいの、馴れ馴れしくてごめんなさいね」と家の中に招いてくれた

むしろ馴れ馴れしくしたのは私の方でいったい彼女のどの行動が馴れ馴れしいといっているのかわからなかったが、招き入れてもらい彼女の言う"お客様"が、私が思っていた"お客様"とは違うということに気がついた


25:名無しNIPPER[sage]
2015/03/05(木) 10:26:05.54 ID:OEMfVIsEO
ここはどうやらお店のようだ
喫茶店だろうか、本来ならカウンター席だろうカウンターにはカゴごとに種類の違う焼き菓子や良い香りのする干し草…ポプリといえばいいのだろうか_が陳列している

ううう、これではまるで喫茶店に入って誰もいないからとずかずかと庭まで勝手に押し入り、ハサミを借りに来たと思ったら結局ハサミを受け取らない、というめんどくさそうな客だと思われただろうか
…間違ってはいない
以下略



26:名無しNIPPER[sage]
2015/03/05(木) 10:27:37.11 ID:OEMfVIsEO
一応ここまで
今日はまた書くかもしれない




27:名無しNIPPER[sage]
2015/03/05(木) 12:01:56.01 ID:4As8DqOmo



28:名無しNIPPER[sage]
2015/03/05(木) 23:42:05.13 ID:MJHDOacq0
主人公目線みたいな書き方しかわからんからだけど
こういう書き方だとさやかが天才みたいに思えるとおもいましたまる

つづき


29:名無しNIPPER[sage]
2015/03/05(木) 23:43:10.70 ID:MJHDOacq0
「まだはいってはダメよ、ここで待ってて」
不意にお預けをくらってしまい、自分の様子を思い出した
そうだ、私は転んでしまって泥だらけなのだ

彼女は小さな緑色のホーローバケツに入ったシャベルやハサミをガチャガチャ言わせながらカウンターの中へ入っていく


30:名無しNIPPER[sage]
2015/03/05(木) 23:43:59.40 ID:MJHDOacq0
カウンターの中で動いている様子がここらからもよく見える
ゆらゆらゆれる彼女の長い髪をじっと見つめているといつのまにかそれは目の前で静止した

「はい、これを」
彼女がカゴごと差し出したタオルはどれも色の薄いものばかりで、どれも使いづらかったのだが、彼女が黙ってずっと待っている姿が非難のように思えてしまい、1番汚れても目立つのは マ シ であろう薄茶色のタオルを取り出した
以下略



31:名無しNIPPER[sage]
2015/03/05(木) 23:44:34.00 ID:MJHDOacq0
幸い、服に付いた泥は軽く乾いていて、タオルで軽く払うだけでだいたいの汚れは取れたし、タオルを特別汚すこともなかった…はずだと思う

彼女はカゴのなかからひょいと2枚のタオルを無造作に取ると私が持っていた薄茶色のタオルの上に重ね後ろを向いた

「今お茶を出すから、テーブル席じゃなくて奥の部屋に入ってちょうだい」


32:名無しNIPPER[sage]
2015/03/05(木) 23:45:04.41 ID:MJHDOacq0
彼女は有無を言わせない
しかし、おどしとはちがう
それにたぶん、強制ではない
彼女は私の遠慮を汲み取ってくれた
無愛想で素っ気ない態度にも見える沈黙という姿勢、あったばかりではあるがこれも彼女の優しさに思えた
以下略



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