44: ◆U3O2l/Lem6[sage]
2015/03/01(日) 16:38:27.59 ID:HgFLdlguo
【その頃、南家、ことりの部屋】
海未:
ねえ、アポロさん。
ことり「何かな、アネモネちゃん」
海未:
あたし、あなたが好きよ。
ことり「……」
海未:
あたしがあなたを好きなように、あなたはあたしが好きでしょう?
ことり「……いいや、そんなことはないよ」
海未:
あたしを置いて、遠くに行っちゃうのね。
ことり「そうだよ。
でも、安心しなよ。
つれない蝶々が、どこかに飛んでいくだけだよ。
そんなひどい僕のことなんか、忘れてしまいなさい」
海未:
……あなたがあたしをもう好きでなくても、あたし、あなたが好きよ。
そこまで言うと、わたしたちは、言うべき言葉を見つけられずに、二人で沈黙しました。
海未ちゃんは、決して自分から電話を切ろうとしませんでした。
電話を切るのは、フられるほうじゃなくて、フるほうじゃなくちゃいけないのです。
だからわたしが、静かに電話を切りました。
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