45: ◆U3O2l/Lem6[sage]
2015/03/01(日) 16:39:16.62 ID:HgFLdlguo
ツーツーと音をたてる電話に耳を当てて、わたしはベッドに突っ伏しました。
言うべきことはもうないけど、言いたかったことは、まだあります。
子どものころ、泣いているわたしに、海未ちゃんは、いつもこう言ってくれました。
――――――――――
「わああ! ことり、泣かないでください!
これはお芝居ですよ!
ほんとは、わたし、ことりのことが、だーいすきですよ!」
「わーい、うみちゃん、ありがとう!
ことりも、うみちゃんのこと、だーいすきだよ!」
「それじゃあ、ほのかをおこして、みんなで、おそとにあそびにいきましょうか」
「うん!」
―――――――――――
できることなら、同じことを海未ちゃんに言ってあげたかったな。
「海未ちゃん、泣かないで。
ほんとは、わたし、海未ちゃんのことが、だーいすきだよ」
切れた電話にそう告げてから、わたしは、つぶやきました。
「ごめんね」
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