過去ログ - 佐久間まゆ「ご結婚おめでとうございます、プロデューサーさん」
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13: ◆Freege5emM[saga]
2015/03/01(日) 23:21:05.74 ID:OA5hrQ14o




●12

まゆさんは、私と同い年とは思えないほど立派な人です。
自分の願望より想い人の幸福を取ることができる人です。
私なんかが内心にズケズケと入り込んでるのに、八つ当たりもしない人です。

けれど、それゆえに一人でこんなにボロボロになってしまうのは、悲しいことです。
私に、何かできるでしょうか。



『……やっぱり、ドールハウス作ってみませんか』
『そんなにいいものなんですか、ドールハウスって……』

私の知る限り、芸能界は腹立たしいほど勝手なところです。
夢と違って、私たちの気持ちなんかまったく汲んでくれません。

でも、どこかで折り合いをつける必要があります。
恋のような憧れのようなそれを燻らせていたら、苦しむのはまゆさんです。

『思いを伝えないままプロデューサーを見送るのも、決めたことなら止めません。
 けれど、せめてその思いを何か形にして残したらどうだろうか、と私は思うんです』

お菓子にどれだけ気持ちを込めても、一時だけ舌を楽しませたら、それは消え去ってしまいます。
特別な人へ贈る餞(はなむけ)の品として、寂しくはありませんか。

『それに……ドールハウスなら、私とまゆさんで一緒に作れるじゃないですか』

私は、まゆさんの思いを理解してあげられません。
今の私が理解できるのは、それを燻らせたままでは苦しいということ、
それを目に見える形にしたら苦しさが少しマシになるんじゃないか、ということだけです。

あと、一緒にドールハウスを作れば、手先から溢れるまゆさんの気持ちが、
私にも少しは分かるんじゃないかな、なんて期待もしてます。

『だから、一緒にドールハウス作ってみませんか?』


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