過去ログ - 【艦これ】艦娘「ケッコンカッコカリオコトワリ」
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1
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◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:22:34.01 ID:QsoFumZ+0
地の文。安価有り。捏造マシマシ。
以上がOKで、お暇な方。暫くの間、お付き合いしていただければ。
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2
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:24:40.82 ID:QsoFumZ+0
一言で表すならば、それはきっと『意地』だった。
以下略
3
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:26:19.10 ID:QsoFumZ+0
1.吹雪
4
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:29:54.53 ID:QsoFumZ+0
吹雪「お断りします」
満面の笑顔である。
その小首を傾げる仕草も、非常にキュートだ。
以下略
5
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:31:43.75 ID:QsoFumZ+0
二度も言わんでよろしい、ちゃんと聞こえとるわい。
ぶすったれた表情のまま椅子に座って言葉の一つも発しないこちらに、吹雪はもう一度声をかける。
常だったらこちらの気持ちを和ませてくれる、朗らかな笑顔を浮かべたまま。
この子のこの表情でこんなに気持ちがささくれ立つことがあるなんて、あまり知りたくはなかった。
以下略
6
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:33:23.77 ID:QsoFumZ+0
提督「……」
正直、何となくそんな予感はしていた。
モノの在り処まで指摘されては仕方がないと観念し、膝の上で待機していた右手を机の上に出す。
その手に握っていた物と一緒に。
以下略
7
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:35:18.61 ID:QsoFumZ+0
提督「……まず少し遅くなったが、最高練度おめでとう。吹雪」
吹雪「ありがとうございます、司令官。司令官にそう言って頂けて私、とっても嬉しいです」
司令官のお蔭です。
以下略
8
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:37:02.71 ID:QsoFumZ+0
軽く頬を膨らませて肘を大きく開き、その小さい体を少しでも大きく見せようとする吹雪。
たまに彼女が見せる、私、怒ってますよ、のポーズだ。
そう。
怒ってますよ、のポーズなのだが。
以下略
9
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:39:18.42 ID:QsoFumZ+0
問答の末に、吹雪は眉間に皺を寄せて舌まで出してきた。
子供っぽい仕草だとは思うが、同時にそれは吹雪の意志が強固なものの証左でもある。
つまり吹雪は、冷静な話し合いを続けようとしているのだろう。
その上で、きっちりと俺の提案を断る気でいるのだ。その為には俺の感情を必要以上に昂ぶらせてはいけない。
以下略
10
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:40:59.47 ID:QsoFumZ+0
そしてその結果が今俺の目の前に佇む、特型駆逐艦の1番艦の涼しい顔な訳で。
少し前の自分の行動に歯噛みする。
何と浅はかな。
実に、実に忸怩たる思いだ。
以下略
11
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:43:06.80 ID:QsoFumZ+0
ずばり、と。
言葉が、その及ぼした影響の擬音を持てるのならば、正にそんな音がしただろう。
紫電清霜の名刀ですっぱりと物を断つが如く、吹雪は簡潔明瞭に、二言だけで俺の希望を切って捨てた。
以下略
12
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:44:48.96 ID:QsoFumZ+0
艦娘の側にも選ぶ権利があるんだから出来る限りそれを汲んであげなさい。
つまりはそういうお達しだ。
それがある以上、現状をこれ以上どうすることもできない。
それに吹雪がそのお達しを知っているのかどうかは別にして、こうまではっきり拒絶されたのではどちらにせよ申し込みにくいというものだ。
以下略
13
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:45:52.07 ID:QsoFumZ+0
あくまで端的に。
至極事務的に。
そんな印象で辞そうとする吹雪の背中に、ふと、悪いとは思ったものの一声投げかけたくなった。
以下略
14
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:46:37.60 ID:QsoFumZ+0
吹雪「イヤだから、ですよ。それ以外に理由が要りますか?」
15
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:47:55.49 ID:QsoFumZ+0
そして吹雪はその一言だけ残して、ぱたん、と静かに行儀よくドアを閉じて、出て行った。
提督「……吹雪?」
それは、聞いたことのない声色だった。
以下略
16
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:49:29.32 ID:QsoFumZ+0
提督「……ともあれ、またフラれたか。そこそこ仲良くやってこれてると思ってたんだけど」
正直、ショックは大きい。
少しでいいから、それから目を逸らしたかった。
とはいえ、勝手に頭は回ってしまうのだが。
以下略
17
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:51:06.92 ID:QsoFumZ+0
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18
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:52:18.18 ID:QsoFumZ+0
正直、そんな予感はしていたのだ。
大本営が定めたケッコンなどと言うネーミングは、その字面のインパクトと儀式過程によって、発令が予定された時点から各鎮守府の話題を席巻していった。
今でこそ多少落ち着いたとはいえ、それでも高い練度の艦娘が在籍する鎮守府では未だにその存在が意識されているらしい。
以下略
19
:
◆p7uyiJsetI
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2015/03/04(水) 20:54:24.87 ID:QsoFumZ+0
その変化は肌で、というか、何となくうなじの辺りを何かにムズムズとくすぐられる様な、何か忘れ物をしている様な、そんな煮え切らない違和でもって感じられるものだった。
良く晴れた日だった、と思う。
朝起きて、寝ぼけ眼をこすりながら身支度を整え、執務室にて今日の仕事の予定と軽い作業をこなし、朝飯を食べるために食堂を訪れた。
そして鮭の塩焼きをつつき、良く漬かった沢庵を租借し、味噌汁の最後の豆腐を摘まんだ時点でその違和感の正体に気づいた。
以下略
20
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:55:56.41 ID:QsoFumZ+0
俺はその後も粛々と執務をこなし、所定の作業といつも通りの日課と多少の問題を処理して、概ねいつも通りの時間に布団に潜り込んだ。
朝、食堂で箸を持った時に感じた、うなじのかゆみに首を少しだけ捻って。
初日はそんなもので、二日目、三日目と経過しても、自分の中の違和感が増すだけで概ねそんな具合だった。
以下略
21
:
◆p7uyiJsetI
[saga]
2015/03/04(水) 20:57:09.35 ID:QsoFumZ+0
提督「それが却って不気味だ……」
嫌われた、と言うわけではないと思う。
皆、変わらず良い子達だ。
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