過去ログ - 前川みく「Pなんて大っ嫌いにゃ」
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74:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:25:18.70 ID:SjiOCUPJ0
中に入ると思ったより落ち着いていて安心した。ただこちらを伺っている男の人達が
何人かいて、少し居心地が悪かった。
そして最初の演奏が始まると、ここに来たことを後悔した。
ロックは今までちゃんと聞いた事がなくて、ただなんだかうるさい音楽だなぼんやりと思っていただけだった。しかし今、そのぼんやりとした思いはしっかりとした形になった。
75:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:26:22.26 ID:SjiOCUPJ0
結局その人が出てきたのは一番最後だった。
ステージから疲弊しきった私を見つけて、その人は嬉しそうに笑った。
その笑顔を見て、私よりも無邪気に笑うんじゃないかと感じた。
その人はマイクを構えた瞬間に、表情がいきなり変わった。その人は囁くように歌い始める。楽器隊は動かないで、その人の声に聞き惚れているようにも見えた。
76:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:27:06.32 ID:SjiOCUPJ0
みんなが同じような表情でその人を見ている。さっきまで奇妙に見えた光景も、凄く優しいものに見えた。
あの人からはこの光景が、どんな風に見えているんだろうと思った。
77:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:27:54.91 ID:SjiOCUPJ0
「私は大人って、やりたい事だけやってるんじゃ駄目だと思うんですけど」
「じゃあ子供でいいさ」
「いつまで子供でいる気ですか?」
78:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:28:51.71 ID:SjiOCUPJ0
「別に叶うかどうかとか、難しいか簡単かで考えてないからだよ。ただ、こうしたいって思う事に向かってるだけだよ」
「なんで?」
「だって死ぬ時に後悔したくないじゃん」
79:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:30:08.85 ID:SjiOCUPJ0
私もきっとそうだと思った。
本当は私もこの人と同じタイプの人間だと。
私の心の奥にはいつも、レールの上を良い子に歩く私を恨む気持ちがあった。
80:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:31:13.71 ID:SjiOCUPJ0
「ん、約束?」
「そうです、約束」
「なんて?」
81:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:32:05.08 ID:SjiOCUPJ0
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ーP宅ー
P「」ムクッ
82:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:33:26.98 ID:SjiOCUPJ0
P「よし!今日のスケジュールはー、前川さんはレッスンオンリーですね!」
みく「なんでまた妙にハイテンションなの」
P「もうすぐー、春だから!」
83:名無しNIPPER[saga]
2015/03/06(金) 10:34:09.65 ID:SjiOCUPJ0
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みく「もうクタクタにゃー」
P「お疲れ様ー、で今日はもう事務所に用はないんじゃないか?」
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