過去ログ - 「怪物は誰かと友達になりたかった」
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4:saga
2015/03/07(土) 01:40:26.07 ID:eA/I8H4n0
「いっそ地中に手足を縛って沈めてください。どんなに望んでも何も出来ないように、そしてそのまま窒息させて失意のままに死なせてください。いっそ太陽にすら照らされる権利のない透明にしてください。触れたいと思って伸ばした手で誰かが穢されないように、そしてそのまま誰にも気づかれないよう、森の木陰でそっと存在を消してください」

或る日怪物は窓から差し込む日差しに向かって膝をついた。
こんなお願いも聞き入れてもらえないとなると、とうとう神さまですら愛想をつかしてしまったか。はたまた、最初から神に見向きもされなかったからこんな姿に生まれたのか。

後者が正解だろうなと思うと、怪物はいよいよ悲しくなった。

いっそ似つかわしく悪さをやらかして、魔王とか言われながら勇者に討たれてやろうか。
世の自称不細工自称ブスを片っ端から襲って、自分達がどれほど愛されているのか教えに行くのも面白い。
現実から逃げている奴らに、無限に広がる可能性を見せてやろうか。

ダメだろうなあ、どうせできやしない。
醜い自分の中に住む『悪魔』の小ささに、怪物はふと笑った。


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