2: ◆30lx83ehPU[saga]
2015/03/10(火) 04:04:23.13 ID:Bf0aXLJF0
男「……え、嫌味じゃないよ。君だって彼氏くらい作ろうと思えば作れるだろう」
男「……はは、冗談はよせよ。僕はもう彼女はいるんだ」
男「それで話の続きだけど…俺が彼女と付き合い始めて何年目か、知ってるかい?」
3: ◆30lx83ehPU[saga]
2015/03/10(火) 04:08:55.37 ID:Bf0aXLJF0
男「彼女は理想の女性さ。天使と言っても過言じゃないね」
男「見た目も素晴らしいし、性格はもっと良い。そのうえ頭も切れる。脚は長くて細く肌は綺麗、美術品かと疑いたくなるほどだ」
男「……ん、はは拗ねるなよ。彼女程でないにせよ君だって十分に魅力的な女性だと思うよ」
4: ◆30lx83ehPU[saga]
2015/03/10(火) 04:11:22.39 ID:Bf0aXLJF0
男「…………」
男「……そうか、幼馴染の君がそう言うならその評価でおおよそ間違いじゃないと思いたいね」
男「じゃあ次の質問だ」
5: ◆30lx83ehPU[saga]
2015/03/10(火) 04:18:01.23 ID:Bf0aXLJF0
男「僕は普通だ。仮に君の見立てが正しくて、多少見た目と性格が良かったとしても…彼女の前じゃ普通の範疇だよ」
男「いや、自惚れとかじゃなくて僕は自分の顔に少しだけ自信がある。性格は…まぁ置いておこう」
男「さて、そんな僕が彼女に…『男女交際をしている』彼女に対してどんな感情を抱いていると思う?」
6: ◆30lx83ehPU[saga]
2015/03/10(火) 04:23:44.70 ID:Bf0aXLJF0
男「君は最初から、僕の話の中でどこか自虐的な響きを感じ取っていたと思う」
男「半分はわざとだ。話を円滑に進めるためにちょっとわざとらしく話させてもらったよ」
男「そして君の言った、好意、父性、肉欲…まぁこの三つはいいとして…有用性」
7: ◆30lx83ehPU[saga]
2015/03/10(火) 04:32:16.89 ID:Bf0aXLJF0
男「さて、長くなったけどここからが相談だ」
男「僕が彼女に抱いている最大の感情…劣等感についてのね」
男「この言葉を作った人は偉大だとまで思うようになったよ。まぁつい昨日の晩からだけどね」
8: ◆30lx83ehPU[saga]
2015/03/10(火) 04:37:46.87 ID:Bf0aXLJF0
男「付き合い始めて丸一年くらい経った頃だったかな。僕が浮気してると噂になったことがあったろう?」
男「まぁ結局最後には犯人が自首してくれたお陰で何とか丸く収まったけれど、あの時は大変だったな」
男「な、犯人さん」
9: ◆30lx83ehPU[saga]
2015/03/10(火) 04:43:08.71 ID:Bf0aXLJF0
男「骨を折ったのなんてあれが人生初めてでさ、ちょっとびっくりしたよ」
男「まぁいいんだけどね。今や完治してるし」
男「それより彼女の話だ。その頃の彼女と言えば、相変わらずの天使だったよ」
10: ◆30lx83ehPU[saga]
2015/03/10(火) 04:46:05.95 ID:Bf0aXLJF0
男「思えばあの件をきっかけにして彼女のことを真剣に捉えるようになったんだよね」
男「もちろんそれまで真面目に接してなかったわけじゃないけど…何だか現実味を感じられてなくてね」
男「そう言う意味では、君には感謝してもいいよ。ありがとう」
11: ◆30lx83ehPU[saga]
2015/03/10(火) 04:49:24.45 ID:Bf0aXLJF0
男「こんな出来た人間が本当に自分何かのことを好きなわけがない、って具合にね」
男「一度疑うと不思議なもので、それまでは一々魅力的だった彼女の一挙手一投足が自分を欺くための演技に思えてきてね」
男「…………」
12: ◆30lx83ehPU[saga]
2015/03/10(火) 04:52:57.80 ID:Bf0aXLJF0
男「さて、そしてその件も結局結論は同じだった。彼女はやはり天使だ」
男「一週間尾行までして彼女のプライベートを監視した末路が、まさか一時的とはいえ彼女と同居することになるとは」
男「いやはや、あの時は本当に日々が理性との戦いだったよ」
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